1105 1on1面談の意義
弊社では講師を招いての月2回の理念勉強会と共に、月1回の社長である私と社員との面談を行っています。この面談の目的を明確にしておきたいと思います。私はかねてからコミュニケーションはすんなり取れる人間ではないので仕事中は業務以外のことはあまり話しません。
口頭で話すことはその場で瞬時に考えなければならないし、相手の返答にも適切に応酬しなければならないのでチャットやメールなど記録に残りゆっくりと考えて発信できる非同期コミュニケーションを多用します。ネット全盛の現代では特に珍しいスタイルではなくむしろ普通であるとは思いますが、世間話をする、しなければという気を遣うことが集中力に自信のない私には高度なスキルに思えてならないからです。い
そのことだけを表明していると何だか冷たい印象を持たれてしまいそうですが、証券会社時代は、広いオフィスでよく喋る部長や支店長が課員である私たち営業マンの士気を上げるために頻繁に声をかけていた記憶があります。明るく、面白おかしく時には厳しくという、あれが社内雰囲気を醸成するあるべき姿だと今だに思います。
会社は社長が経験した勤め人時代の会社の社風が受け継がれることが多いと聞いたことがありますが、幸か不幸か私が経験したその社風は伝統的にインターバンクには受け継がれていません。当時の厳しくも暖かい雰囲気は好きでしたし、出来ることなら再現したいと思いますがスキルがないので制度で克服したいと思います。
つまり月一面談の主な目的はコミュニケーションです。オフィシャルでもプライベートの内容でも話をしないと相手の考えていることが見えないので、知らない人に対して良い感情を抱きません。話せば新たな発見や、同じ価値観に共感することが起こり面談後には意外と良い人だなという想いがお互い感じとれるのではないかと思っています。
しかし、コーチのコンサルタントさんの提案では単なる世間話ではなく目的を示す方が意欲的になるとのことでした。人間は1日単位でも変わるし先月との変化を共有する、確認する。新しい一面を知る、理解を深め信頼関係を深める。~へ行ったとか、最近良かったこと、悪かったことを知ることの愛情・関心を持つ、単純に本人をトレースするだけでも良いという話でした。その時、私は心の中でこう思いました「それはもはや家族だな」
多くの会社のパンフレットや組織などのモットーに「社員は家族です」と喧伝していることをよく見かけます。正直私にはピンと来ず、綺麗ごとだと思っていました。
人間力が伴ったコミュニケーション能力が高い人というのはほとんど家族との関係性が良好なことが大きく影響しているとも教えてもらいました。そしてこう思いました「自分とは真逆だな」
後天的に培われる営業力やロジカルシンキング等は社会人になってから身につくもので、そのような生産性が高い人であってもマネジメントが出来ない人は山ほどいるようです。確かに人の心を受け止められないマネジメント層は、「なぜこんなことも出来ない」と自覚なく部下にマウントを取ってしまい「あの人は何考えているかわからない」と思われ、距離が出来てやがて被害妄想で自分をネガティブに追い込んでしまうという結末は想像に難くないでしょう。非常に身に覚えのあるケースです、いわゆるスペックの高さと求心力は別物であります。では私のように小さい時に家族内でごたごたがある人間はどうすればよいのかと尋ねました。
時間はかかりますが原因を見つけ、物事の考え方を変えていく、ネガティブではなくポジティブに考えていく訓練が必要とのことでした。例えば親にこんな酷いことをされた、ではなくこんな良いことをしてくれた。ということを探しそこにフォーカスする。これは言うは易しされど行うは難しでとてもエネルギーを要するもので、私も行ってみましたがとても一人でできる容易いことではないと感じました。嫌いな人の良い所を見つけるようなものですので、拒否反応が凄いです。そのように困難であるほど如何に家族間の愛情が大事かというのを思い知るわけです。
私自身が家族と仲の悪い歴史を歩んできた中でこれは面談自体が挑戦的なテーマと感じることもあり、上手くオペレーションできるかどうかはわかりませんが、自分が不得手だからと言って避けて通ることができない、雇用をする責任と覚悟でもあります。
また、社員が言いたいことを言える場を設けることで進言する権利やガス抜きすることも出来るはずと考えています。事務的な仕事ではなく、話すことで脳のトレーニングにもなりアンテナを張るきっかけにもなるでしょう。