海外旅行に行く時には、必ず必要になるものがあります。
主にパスポートやビザなどがそれですが、他にもうひとつ、電子渡航認証というものが必要になってきます。

あまり海外に行かない人には聞き慣れないかもしれませんが、この電子渡航認証を取得しておかないと、飛行機に乗れない、現地の国から入国拒否されてしまう、などの可能性があるほど重要なものなのです。

電子渡航認証って何?

海外に行く場合、国によっては観光ビザなどが不要な国もありますが、それでも電子渡航認証は必要となります。
電子渡航認証は、主にテロ防止対策などの理由から必ず申請しなくてはならない、いわばその国独自の“入国許可証”です。

個人で海外旅行などに行く場合には自分で申請する必要がありますが、ツアーなどの場合には旅行代理店などが代行で申請手続きをしてくれることもあります。もしツアーに参加するのであれば、確認しておくといいでしょう。ちなみにこの時には、別途手数料などの料金がかかります。
また、個人の場合でも申請代行サービスをしてくれる業者もあるので、自分で手続きするのが不安な人は利用するのも方法です。

電子渡航認証の基礎知識と申請の流れ

現在、電子渡航認証が必要な国は、アメリカ、カナダ、オーストラリアの3ヵ国で、それぞれのサイトからオンラインで申請、手続きをすることが出来ます。

電子渡航認証の申請、手続きの流れはどこもほぼ同じではありますが、費用など異なる部分もあるので、その内容を確認してから申請するようにしましょう。

アメリカへの渡航「ESTA」

ESTAの詳細

アメリカの電子渡航認証はESTA(Electronic system for Travel Authorization)といい、通称エスタと呼ばれています。
日本は、アメリカのVWP(Visa Waiver Program)というビザ免除プログラムの対象国なので、滞在期間が最長90日間以内の商用、観光目的であればビザの申請は不要なのですが、2009年1月からアメリカ国土安全省よりESTAの申請が義務づけられました。

ESTAの申請方法

ESTAは、アメリカ合衆国関税・国境警備局の公式サイトからオンラインで申請手続きが出来ます。
申請手続きに必要な主な情報は、
・パスポート情報
・自分自身の基本情報(名前、住所、勤務先、両親の名前、緊急連絡先など)
・渡航情報(旅行の目的、現地での滞在先、連絡先など)
・その他の情報(伝染病歴、逮捕歴、ビザの取り消しや強制送還歴の有無など)
などで、簡単な質問に答える形で入力していきます。

申請手続きは飛行機の搭乗72時間前まで可能ですが、余裕をもって事前に済ませておく方が安心できるでしょう。
また、申請手続きは大人子どもに関係なく渡航する人全員に必要となります。

ESTAの申請費用

費用は14アメリカドルで、支払い方法はクレジットカードのみとなります。
もし本人がクレカを持っていない場合には、親族や旅行代理店などが代理で支払うことも出来ます。

ESTAの申請後

申請手続きが終わると、数分で審査結果が表示されます。
この時に“渡航認証許可”と画面に表示されれば手続き完了です。

また、ESTA認証の確認はコンピュター上でチェックされるので、搭乗時に書類などは不必要ですが、念のために渡航認証をプリントアウトして持って行くといいでしょう。

ESTAの有効期限は、認証許可を受けてから2年間、またはパスポートの有効期限のいずれか短い方までとなります。

在日米国大使館・領事館ESTA申請ページ
https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/visa-waiver-program-ja/esta-information-ja/

カナダへの渡航「eTA」

eTAの詳細

カナダの電子渡航認証はeTA(Electronic Travel Authorization)といいます。
2016年3月より、カナダ市民権・移民省によって申請が義務づけられました。

カナダでもアメリカ同様に、滞在期間が6ヵ月以内の観光旅行の場合は日本はビザ免除対象国でしたが、空路からの入国のみ、eTAの申請が必要となりました。

ESTAとeTAの大きな違いとしては、ESTAが空路・海路の入国で必要なのに対して、eTAは空路のみ必要、ということでしょう。

eTAの申請方法

eTAの申請手続きは、カナダ政府の公式サイトから行うことが出来ます。
申請のための日本語ガイドなどもpdfで用意されているので、不明な点があれば参照しながら手続きを行えば問題はないでしょう。

申請手続きに必要な情報は、ESTAとほとんど同じですが、最低限、
・パスポート情報
・クレジットカード情報
・eメールアドレス
だけは必要になるので用意しておきましょう。

eTAの申請費用

eTAの申請費用は7カナダドルで、クレジットカードでの支払いとなります。

eTAの申請後

申請手続きがすべて終わると、登録したメールアドレスにeTA番号が記入された「渡航認証許可」が届きます。
eTAは登録したパスポートに電子的にリンクされるので、ESTAと同様に必要書類はありませんが、やはり念のために「渡航認証許可」をプリントアウトして持って行きましょう。

eTAの有効期限は5年間、またはパスポートの有効期限のいずれか短い方となります。

カナダ政府公式サイト 電子渡航認証(eTA)の概要
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/visit-canada/eta/facts-ja.html

オーストラリアへの渡航「ETAS」

ETASの詳細

オーストラリアの電子渡航認証はETAS(Electronic Travel Authority)といい、日本では通称イータスと呼ばれています。

ETASは、3ヵ月以内の商用、観光目的の滞在で申請が必要になります。
オーストラリア政府の公式サイトから申請手続きが出来ますが、代行サービスも色々とあるので、そこから手続きをしてもらうことも可能です。

ETASの申請方法

ETASの申請手続きは、オーストラリア政府公式サイトから行います。
手続きに必要な情報は、
・パスポート情報
・クレジットカード情報
・eメールアドレス
の3つが最低限です。

もちろん日本語で申請出来るので、指示に従って手続きをすればいいでしょう。

ETASの申請費用

ETASの場合、申請料金自体は無料なのですが、オーストラリア政府公式サイトを利用して申請すると、システム利用料として20オーストラリアドルがかかります。
また、日本の旅行会社の代行だと1000~3000円程度、ETAS登録代行会社への依頼だと500~2000円程度の手数料なので、手数料の安い登録代行会社を探してみるのもいいかもしれません。

ETASの申請後

ETASも他の2種類同様に、電子査証になるので必要書類はありませんが、念のために渡航認証をプリントアウトして持っておく方が安心できるでしょう。

ETASの有効期限は1年、またはパスポートの有効期限のいずれか短い方となります。

オーストラリア政府公式サイト イータス日本語申請
https://australia-etas.com/