海外旅行を思い立ってから始まる気分の高騰。もうワクワクがとまらないものですよね。
ですが、実はここに心身に影響する落とし穴があるのです。
海外旅行は楽しいですが、異国へと行くわけですから、はやり精神的肉体的に疲労が溜るのは避けられません。

今回は、海外旅行全般の“疲労”について考えましょう。

3段階で考える海外旅行の“疲労”対策

海外旅行の出発前から旅行中、旅行後と、ただがむしゃらに行動していると思わぬ疲労で体調を悪くすることがあります。
そこで海外旅行を3段階に分けて考えて、疲労を軽減したり防ぐ方法を紹介しましょう。

海外旅行の出発前まで

自分に合った海外旅行計画をする

海外旅行に行くには、それなりの費用と日数がかかります。
基本的には、この両方をあまり無理のない範囲で計画するのが好ましいです。

旅行費用

せっかくの海外だからと、あまり高額設定にすると帰国後の不安が大きくなります。
飛行機やホテル代、お土産代など、全てを豪華にしても問題ないならともかく、どれかを豪華にするならどれかを抑えるなど、後々のことも考えて費用設定しましょう。
帰国後にローンまみれだと精神的にも負担がかかります。

旅行スケジュール

海外旅行で重要かつ大変なのがスケジュール設定でしょう。
あまりハードなスケジュールだと出発前も帰国後も疲労が大きくなってしまいます。

ツアーに参加する場合、中には分刻みのスケジュールであちこちを巡るものもあり、ホテルに帰ってバタンキュー、翌日には早朝からまた分刻みで…という内容だと疲労は溜りまくります。
気分が高まっている現地では何ともなくても、帰国後にドッと疲労が出てくることも多々あるので注意です。

個人旅行の場合には、仕事などのスケジュールがうまく調整できないなら、詰め込まずに海外旅行の日数を短くするのも方法です。詰め込みすぎのスケジュールで何をしてきたのか判らなくなるくらいなら、本当に行きたい場所を厳選して、時間に余裕を持ったほうがいい旅行になるでしょう。

また、家族旅行などで特に小さい子どもや高齢者が一緒の場合には、目的優先より家族の体調優先がオススメ。日本とは違い、海外では気候も習慣も異なるので、ただ過ごすだけでも疲労が溜って体調を崩すこともあり得ます。

基本的に全てに言えることは、“時間に余裕のあるスケジュール”を考えることです。

旅行の準備は余裕を持って!

海外旅行に行く前には、色々な準備が必要ですが、なるべく“余裕”を持って行なうようにしましょう。
出発直前にバタバタと準備をするようだと、行く前から疲労を溜めてしまうだけではなく、忘れ物をする可能性も高くなります。

重要書類の準備

パスポートや海外旅行保険、航空券、ホテルの予約チケット、海外自動車免許証など、重要種類はいち早く準備しておきましょう。
特にパスポートや自動車免許証などの期限のあるものは最初にチェック、有効期限切れているなら早めに申請をすることです。
できるなら出発日の1週間から2週間前には全ての重要書類を揃えておきましょう。そして出発日の前日や2日前に重要書類の再チェックをしておけば完璧です。
また、飛行機やホテルの予約は、まれに先方の事情などで直前に変更されていることもあるので要確認です。

パッキング

準備の中でも大仕事なのが荷物のパッキングです。
パッキングは慣れていないと時間がかかるので、後回しにした結果、出発直前に慌ててることになりがちです。
まずはパッキングリストを作成して、何をどこに入れておくのかを決めてから準備するといいでしょう。そして時間がかかることを頭に入れておき、早めに進めておくと後々楽になります。

海外旅行当日までの過ごし方

極端に言うと、出発当日の早朝まで仕事をして、帰国当日から仕事、というようなスケジュールでは身体が持ちません。
“現地でのんびりすればいい”と思うかもしれませんが、せっかくの海外をただ寝て過ごすわけではないですよね。
旅行の前日にはできるだけ早めに帰宅して出発に備え、帰国後も翌日は休養又は激務は避けるようにしたいところです。

海外旅行中~移動から現地

飛行機内ではリラックスできる工夫を!

長時間飛行機に乗る予定なら、気をつけたいのが“エコノミークラス症候群”です。長い時間同じ姿勢でいることで血流が悪くなるこの症状は、重度になると命に関わることもあり得ます。
エコノミークラス症候群を防ぐためには、
1、水分をしっかりと取る
2、手や足を伸ばすなどのストレッチをする
3、深呼吸をする
などがあります。

また、身体を締めつけない服装に着替えたり、靴を脱いでサンダルに履き替えることも有効です。
さらに機内の乾燥を防ぐためのマスクやネックピローを使って、リラックスするようにしましょう。

現地での過ごし方

十分な睡眠を取る

まずは睡眠をしっかりと取ること。異国での行動は心身共に疲労を蓄積させるので、夜更かしせずに早めに寝てしまいましょう。
もし興奮して寝つけない場合は、軽いストレッチで身体をほぐす、温めのお風呂に入るなどでリラックスした状態でベッドに入りましょう。

食事をしっかりと取る

時間がないからと言って食事を抜くなどは厳禁です。食事をしっかり取って力をつけましょう。
もし現地の食事が合わないなら、日本食を探して取るのも方法です。無理に食べて胃腸を壊しては意味がありません。

さらに海外の生水はほとんどが硬水で、日本人は慣れていません。飲まないようにしたほうが無難です。また、生ものを食べないようにする、というのも身体のことを考えればいいでしょう。

基本的には暴飲暴食はしないこと。万が一に備えて胃腸薬を持って行くと安心です。

ストレスを軽減する工夫を!

慣れない土地での行動は、知らず知らずにストレスを溜めてしまいます。
その上に何かしらのトラブルが起こってしまうと、さらに精神的なダメージが大きくなります。
内容にもよりますが、トラブル時は、積極的に大使館や領事館、ホテルのスタッフ(いるなら日本人スタッフ)、保険会社のサポートなどに助けを求めましょう。アドバイスをしてもらうだけでも大きく違います。

海外旅行からの帰国後

海外旅行での疲労は帰国後も油断できません。自宅に帰ることでそれまでの緊張から開放されて、溜っていた疲労が一気に押し寄せるからです。
ここで何もしないのではなく、もうひと踏ん張りして疲労を取ることを考えましょう。

お風呂に入る

まずは帰宅後にシャワーやお風呂に入って身体をリラックスさせましょう。一度横になると動くのが大変なのですぐに入るのがオススメです。

食事は消化の良いものを!

海外では重いものを食べることが多かったはずです。
帰国後は胃腸を休ませるためにも、2、3日は消化の良いものを、量を控えて食べましょう。

睡眠の取り方

疲労を取るだけではなく、時差ボケを修正するためにも睡眠は大切です。
睡眠は帰国した時間によって異なります。帰国が夕方や夜ならばお風呂に入って寝てしまいます。できればそのまま翌朝まで寝るのがオススメです。

帰国が昼間であれば、仮眠を取ります。ただし仮眠は長くても1時間程度がベスト。ここで寝過ぎると夜に寝られなくなってしまいます。
仮眠のポイントは、部屋を真っ暗にして寝ないこと。身体が夜だと勘違いすると起きられなくなります。

また、時差ボケはいきなり修正できないので、時間をかけて徐々に修正するようにします。
そのためにも、帰国日の翌日は仕事をせずに休養日にする、ハードスケジュールの仕事はしない、など調整しましょう。

大切なのはリラックスすることです。身体が日本の時間のリズムに戻るように何をするにも無理をしないことです。

海外旅行ロスは、次の計画を立てて解消する

めちゃくちゃ楽しかった海外旅行が終わって帰国すると、日常に戻ることで無気力になってしまうことも…。
いわゆる海外旅行ロスで、考えることは旅行中のことばかり。仕事や日用生活のことが何にも手に付かない…なんて状態にもなりかねません。

これを防ぐためにも現地での写真の整理や、出来事などを日記などに書いてみましょう。
思い出をまとめることで気持ちにひと区切りつけるのです。

もうひとつは、次の海外旅行を考えることです。
予算や日程などを考えて、いつ頃にどこに行くかを計画します。実際に行けるかどうかは自分次第! 資金を貯めて実現するためにやる気も戻ってくるはずです。
この時には、海外旅行だけにこだわる必要はありません。自分の趣味などで楽しみにできるものを考えてみましょう。
要は次の目標を定めて、それに向けて力を出せるようにすることが重要なのです。