乗り継ぎ時間も楽しむ!トランジットのポイントとは
“トランジット”とは航空機を利用する時に使われる用語で、基本的に「航空機を乗り継ぐ」ことを言います。では、どんな時に“トランジット”を使う必要があるのか? 今回はその際のポイントをご紹介します。
トランジットの基本
ひと口にトランジットと言っても…
まずはトランジットの意味をさらに細かく解説していきましょう。
海外に行く時の航空機には、
直行便
→出発地から目的地までノンストップで直接フライトする
乗り継ぎ便
→途中で別の空港に降りて経由、航空機を乗り継ぐ
という2つのパターンがあり、この乗り継ぎ便の時の乗り継ぎがトランジットと言います。
特に長距離のフライトの場合には乗り継ぎ便が多く、ほとんどトランジットが必要と言えます。
また、トランジットの他に“トランスファー”“ストップオーバー”という用語もあります。
トランジット
厳密にいうと、トランジットは出発地で乗った航空機のまま、経由する空港を経て目的地までフライトすること、となります。
トランスファー
トランスファーは、経由する空港で別の航空機に乗り継いで、目的地までフライトすることです。
ただし、最近ではLCC(格安航空会社)が増えて乗り継ぎ便が多くなったこともあり、この両方を含めてトランジットと言うことが増えてきました。
ですが、本コラムでは解説の棲み分けのために、トランジットとトランスファーで別々に紹介していきます。
ストップオーバー
ストップオーバーとは、経由空港で乗ってきた航空機を降りて、その地域で24時間以上滞在することを言います。このことからも、ストップオーバーは必然的にトランスファーで行なうこととなります。
経由地域に長時間滞在することにはなりますが、この時間を使ってその地域を観光するチャンスができるということになります。
3つのパターンでのポイント
上記の3つのパターンにはそれぞれにポイントがあるので、航空機の予約の前に覚えておきましょう。
トランジット
出発地から乗ってきた航空機そのままのトランジットでは、大きく注意する点はありません。航空機の給油や整備のみで約1時間ほどの待ち時間の場合には、そのまま席で待機していればOKです。
待ち時間が長い場合には航空機を降りて待機することになりますが、この時にトランジットエリアにいる分には特別な手続きもありません。それ以外の場所に行く場合は、国によって入国手続きが必要になってきます。
ちなみに、各空港で様々ですが、トランジットエリア内だけでも施設は充実していて、ショッピングや食事、シャワーや仮眠、ホテルなどもあり、出発まで退屈することはありません。ただし、ここで購入した品物は全て機内持ち込みになるので、持ち込み禁止のものは買わないように注意しましょう。
また、荷物は基本的にはそのままでOK。まれに全乗客の保安検査が必要な場合もあり、この時には自分で荷物をピックアップすることになります。この場合には事前に知らせてくれるはずですが、念のために確認しておくと安心です。
トランスファー
トランスファーでは前述したように航空機を乗り継ぎます。そのために手荷物は持って降りることになります。
また、預けている荷物は、乗り換える航空機が同じ航空会社の場合には基本的に航空会社の方で移動してくれますが、航空会社が異なる場合などは手荷物受取所で受け取って降りることもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
そして乗り継ぎカウンターで乗り継ぎ便へのチェックインを行ないます。この時には、乗り継ぐ便の出発時刻に遅れないようにしっかりと時間を確認しておくことです。
また、トランスファーでは出発地から経由地、経由地から目的地が別便となるので複数の航空券が必要です。乗り継ぎ便の航空券は、出発する空港で渡される場合と経由地で渡される場合があります。
どちらにしても全ての航空券を無くさないように十分に注意して下さい。
トランスファーの場合、経由地に滞在する時間が長めとなるのが基本です。待ち時間が長ければそれだけその地域を観光できる可能性も高くなるので、経由地での観光計画を立てておくのもいいでしょう。
ストップオーバー
経由地に24時間以上滞在することを言うストップオーバーでは、1回のフライトで複数国の観光ができます。もし目的地へ急がなくてもいい、日程的に余裕が取れる海外旅行ならストップオーバーを利用するのも一案です。
ストップオーバーの注意点としては、
“ストップオーバーできる航空券とできない航空券があること”
“定められた範囲であれば無料、それ以外では1回につき追加料金がかかる場合がある”
ということです。
航空券は、これらを考慮して取ることが必要となります。そしてホテルなども忘れずに予約しておきましょう。
万が一、乗り継ぎ便に乗り遅れたら…
もし乗り継ぎ便に乗り遅れるとどうなるか?
まずは空港内にあるトランジットデスクに問い合わせます。遅れた理由が航空機の遅延など航空会社側に責任がある場合には、振り替え便や宿泊施設を航空会社で用意してくれます。
遅れた理由が自分にある場合は、航空会社に振り替え便のお願いをするか、それができない場合には払い戻しの手続きをして新たに航空券を購入する必要があります。
また、乗り遅れた場合、預けてある荷物が紛失してしまう可能性もあるので注意が必要です。
経由地で楽しく過ごすために!
経由地では、トランジット、トランスファー、ストップオーバーで滞在時間が異なりますが、それぞれでその地域を楽しく過ごすことができます。
ただし、最初に必ず乗り継ぎ便の出発時間を確認しておくことです。
基本的には時間が短い場合には無理をして遠出はしないこと。長い時間があっても、空港から出るなら余裕を持って空港に戻ることです。渋滞や思わぬ事故に巻き込まれたら乗り遅れてしまいます。
また、あまりハードな行動をすると目的地に着く前に体調不良を起す可能性も高くなります。これらに注意して、経由地の国を楽しみましょう。
待ち時間別の楽しみ方例
約5時間以下
5時間と言っても、空港では意外と短いものです。トランジットエリア内で楽しむのが基本でしょう。
経由地の空港に着いたら、「Transfer」や「Connection Flights」と書いてある乗り継ぎ口に行きましょう。この時には出入国審査場の「Passport Control」には行かないように気をつけること。
トランジットエリアでは、最初に説明したようにショッピングや食事ができて、仮眠が取れる休憩施設などがあります。
待ち時間が約5時間以上
待ち時間が5時間以上あれば、空港を出て観光するのもアリです。
この場合は入国審査が必要で、ビザが必要な国ではたとえわずかな時間でもビザを取得しなければ入国できません。
その場でのビザ発行が可能な国ならいいですが、不可能な国なら日本で事前に取得しておきましょう。
観光場所は時間によって変わってきますが、空港からの距離や交通機関の利便性をよく考えて選びます。さらに空港に戻ったら出国審査、手荷物検査があるので、これらも考慮に入れて計画を立てましょう。
時間に余裕を持つこと、を大前提に観光することです。
24時間以上のストップオーバー
ストップオーバーではかなり長めの観光が期待できますが、注意したいのが宿泊するホテルの場所です。
ホテルはフライトの時間を考慮に入れて、朝早い乗り継ぎ便なら空港の近くにするのがオススメです。これは観光を終えてホテルでゆっくり休むため、翌朝に慌てずに移動するためです。
また、午後や夕方の便であれば市内など交通の便が良い場所にあるホテルがいいでしょう。
トランジットで観光を楽しむなら、どのパターンにしても第一は“時間に余裕を持つ”、そして“無理をしない”ということを覚えておきましょう。