世界の通貨~みなさんはどれだけ知ってますか?
今回は世界の通貨についてお話ししていきましょう!
世界の通貨の基礎知識
そもそも通貨って何?
遠い昔は物々交換が通常でしたが、物やサービスの流動性を高めるために作られたのが通貨です。通貨(Currency)は“流通貨幣”の略称で、決済、支払いのための手段として用いられている価値交換媒体のこと。凄く簡単に言ってしまえば「お金」です。そしてその価値は通貨を発行する国家などの信用によって変動します。財政破綻や信用の失墜によって、最悪の場合にはその価値がまったく無くなり紙切れ状態になることも…。
為替レート、通貨の価値が決まる仕組みの基本とは?
同一の通貨がそのまま通用する国内、例えば日本であれば、物価の変動などによる変化は別として100円はあくまで100円ですが、ドルやユーロなどの海外通貨に対する日本円の価値となると様々な要因で大きく変動してきます。
為替レートの決まり方
通貨と通貨を交換する取引きを外国為替取引、この時の交換比率のことを為替レートと言います。為替レートはその通貨の需要と供給のバランスで変動するので、例えば円と米ドルの取引きで1ドル100円だった為替レートが、1ドル90円になれば円が強くなった“円高ドル安”、1ドル110円になればドルが強くなった“円安ドル高”、ということになります。このような為替レートにおけるバランスの変動は、色々な要因によって起こります。
基本的要因にはその国の経済成長や国際収支、為替介入などが影響する「金利差」や「景気動向と物価」、テロや戦争による政情不安、政治家の発言が影響する「政治的安定度」、企業の貿易や資本取引などの商取引が影響する「実需」などがありますが、その他の要素も複雑に絡み合っています。
為替レートの一般的な計算方法
外国為替取引では多くの通貨が取引きされていますが、基本的には各通貨間での価値が異なってくるので、これでは価値がバラバラで解りにくくなってしまいます。そこで世界的にも取引量が多い米ドルを基準通貨に設定して、その他の国の通貨価値を解りやすく、計算しやすくしています。この方法を一般的に「クロスレート」と言い、米ドルをベースに各国の取引レートを相対的に計算しているのです。
大見出し
世界の通貨の種類
約180種類もある世界の通貨。多くの国に海外旅行に行っていればそれだけ通貨の種類も判ると思いますが、訪れたこともない見知らぬ国の通貨を覚えるのも知識として楽しいと思います。
通貨に必ずある通貨コードとは
各通貨には世界共通で用いられる“通貨コード”というものがあります。これはISO4217で定められているもので、3文字の英字表記です。ISO4217とは通貨コードに関する国際規格で、主に貿易、商業、金融業などの分野で活用されています。この通貨コードを用いることで、様々な国際的取引きが乱雑にならずに実現しています。ちなみに、通貨コードには英文字の他にもISO3166-1の国コードを利用した3桁数字もあります。
通貨の特徴
各国の通貨はその価値と共に、その国の強みや他国との関係などでそれぞれ異なった特徴を持っています。世界の国の情勢を知るためにも、代表的な通貨の特徴を覚えておくといいでしょう。
【米ドル(USD)】
世界で使用されているドルは22種類ありますが、一般的にドルと言えば米ドルのことです。米ドルは世界に流通している通貨の約60%を占めているとされ、アメリカ国内のみならず、貿易や国際的金融取引の決済にも多く使用されています。
【ユーロ(EUR)】
米ドルに次いで、世界で2番目に流通量が多いのがユーロです。ユーロは“ユーロ圏”と呼ばれるEU加盟国を中心とした国々で使用されていて、ユーロ圏経済の牽引国でもあるドイツの経済指標によって相場が変動することもあります。
【英ポンド(GBP)】
ポンドと言えば、通常だとイギリスのポンドのことを指します。スターリング・ポンドとも呼ばれる英ポンドは、第2次世界大戦直後までは世界の基準通貨でしたが、イギリス経済の衰退で米ドルが取って代わりました。英ポンドはイギリスの金利動向やインフレ率に敏感であり、ユーロ相場に影響を受けやすいといった特徴を持っています。
【豪ドル(AUD)】
鉄鉱石や石炭などの豊富な資源を持つオーストラリアは全輸出の50%以上を鉱物資源が占めていることで、豪ドルは資源国通貨と言えます。また、オーストラリアの最大の貿易相手国が中国であることから、中国の経済動向に影響を受けやすくなっています。
【カナダドル(CAD)】
英連邦の一員であるカナダですが、地理的関係からアメリカとの経済的結びつきが強く、そのために米ドルと似た動きをします。また、カナダは石油、天然ガス、金属などのエネルギーや鉱物資源が多いので豪ドル同様に資源国通貨とも言われ、原油価格の動きと連動しやすい特徴があります。
【香港ドル(HKD)】
香港ドルは米ドル・ペッグという米ドル固定制度を採用しているため、米ドルと同じ変動をするのが特徴です。ただし、中国の特別行政区であることから、中国の経済指標に影響を受けることもあります。
世界の代表的な通貨一覧
※各地域50音順・国名/通貨/通貨コード
【北米】
アメリカ/米ドル/USD
カナダ/カナダドル/CAD
【南米】
アルゼンチン/アルゼンチンペソ/ARS
ウルグアイ/ウルグアイペソ/UYU
エクアドル/米ドル/USD
コロンビア/コロンビアペソ/COP
チリ/チリペソ/CLP
パラグアイ/グアラニ/PYG
ブラジル/レアル/BRL
ペルー/ヌエボソル/PEN
ボリビア/ボリビアーノ/BOB
【ヨーロッパ】
アイルランド/ユーロ/EUR
イギリス/英ポンド/GBP
イタリア/ユーロ/EUR
オランダ/ユーロ/EUR
オーストリア/ユーロ/EUR
スイス/スイスフラン/CHF
スペイン/ユーロ/EUR
ドイツ/ユーロ/EUR
バチカン/ユーロ/EUR
フランス/ユーロ/EUR
ベルギー/ユーロ/EUR
ポルトガル/ユーロ/EUR
ポーランド/ズウォティ/PLN
ルクセンブルグ/ユーロ/EUR
【東ヨーロッパ】
アルバニア/レク/ALL
ウクライナ/フリヴニャ/UAH
ギリシャ/ユーロ/EUR
クロアチア/クーナ/HRK
チェコ/チェコルナ/CZK
トルコ/トルコリラ/TRY
ハンガリー/フォリント/HUF
ブルガリア/レフ/BGN
ロシア/ロシアルーブル/RUB
【北欧】
アイスランド/アイスランドクローナ/ISK
グリーンランド/デンマーククローネ/DKK
スウェーデン/スウェーデンクローナ/SEK
デンマーク/デンマーククローネ/DKK
ノルウェー/ノルウェークローネ/NOK
フィンランド/ユーロ/EUR
リトアニア/リタス/LTL
【オセアニア】
オーストラリア/豪ドル/AUD
グアム/米ドル/USD
サモア/タラ/WST
ソロモン諸島/ソロモン諸島ドル/SBD
トンガ/パアンガ/TOP
ニューカレドニア/CFPフラン/XPF
ニュージーランド/ニュージーランドドル/NZD
パラオ/米ドル/USD
フィジー/フィジードル/FJD
マーシャル諸島/米ドル/USD
ミクロネシア連邦/米ドル/USD
米領サモア/米ドル/USD
【中東】
アフガニスタン/アフガニ/AFN
アラブ首長国連邦/UAEディルハム/AED
イスラエル/イスラエルシュケル/ILS
イラク/イラクディナール/IQD
イラン/イランリヤル/IRR
カタール/カタールリヤル/QAR
クウェート/クウェートディナール/KWD
サウジアラビア/サウディリヤル/SAR
シリア/シリアポンド/SYP
レバノン/レバノンポンド/LBP
【アフリカ】
アルジェリア/アルジェリアディナール/DZD
ウガンダ/ウガンダシリング/UGX
エジプト/エジプトポンド/EGP
エチオピア/ブル/ETB
カメルーン/CFAフラン/XAF
ガーナ/セディ/GHS
ケニア/ケニアシリング/KES
コンゴ民主共和国/コンゴフラン/CDF
ザンビア/ザンビアクワチャ/ZMW
スーダン/スーダンポンド/SDG
ソマリア/ソマリアシリング/SOS
タンザニア/タンザニアシリング/TZS
チュニジア/チュニジアディナール/TND
ナイジェリア/ナイジェリアナイラ/NGN
マダガスカル/マダガスカルアリアリ/MGA
モロッコ/モロッコディルハム/MAD
リビア/リビアディナール/LYD
ルワンダ/ルワンダフラン/RWF
中央アフリカ/CFAフランBEAC/XAF
南アフリカ/南アフリカランド/ZAR
赤道ギニア/CFAフランBEAC/XAF
【アジア】
マカオ/パタカ/MOP
モンゴル/トゥグルブ/MNT
中国/人民元/CNY
北朝鮮/北朝鮮ウォン/KPW
台湾/台湾元/TWD
日本/円/JPY
韓国/韓国ウォン/KPW
香港/香港ドル/HKD
【東南アジア】
インドネシア/ルピア/IDR
カンボジア/リエル/KHR
シンガポール/シンガポールドル/SGD
タイ/タイバーツ/THB
フィリピン/フィリピンペソ/PHP
ベトナム/ドン/VND
マレーシア/リンギット/MYR
ミャンマー/チャット/MMK
ラオス/キープ/LAK
【南アジア】
インド/インドルピー/INR
スリランカ/スリランカルピー/LKR
ネパール/ネパールルピー/NPR
パキスタン/パキスタンルピー/PKR
モルディブ/ルフィヤ/MVR