海外旅行の大きな魅力は、日本とは異なる各国の文化や風習の違いを体感できることだと思います。その中でも特に大きいのが言葉の違いです。近年では優れた自動翻訳機もあるので、言葉の違いへの不安も昔と比べるとかなり減っているでしょう。せっかくの海外旅行だし、積極的に現地の人とお喋りするのはとてもいいことですが、この時に必ず気をつけなければならないのは、NGワードは絶対に使ってはいけないということです。
今回は国際標準語である英語を基準にして、NGワードについてお話ししましょう。今回はその内容から、記事内に度禁句的な表現が含まれますのでご了承下さい。

NGワードって何?

NGワードとは、文字通り“NG=言ってはいけない”言葉のこと。日本でも相手に対して言ってはいけない言葉がありますが、海外では日本以上にNGワードに対して敏感です。相手の気分を害するのはもちろん、場合によっては暴行事件を引き起こしてしまうことも珍しくありません。特に近年では差別や性的なNGワードで大きな事件が起こっていることは、ニュースなどで知っていると思います。相手を罵倒する意思を持って言うのは論外ですが、そんなつもりはなくても、相手にとってはNGとなる言葉を意図せずに発する可能性もあります。

スラングはほぼNGワードと考えておく

海外ではNGワードに対してかなり厳格に気をつけるのが普通ですが、言葉の中にはスラングというものがあります。スラングとは簡単に言えば“俗語”のことで、口汚い、下品な表現を使った内容を意味します。例外的に友人などの親しい間柄では、いわゆるジョークのひとつでありウィットに富んだ会話になることもあるのですが、一般的にはスラングはNGワードと考えておくほうがいいでしょう。

NGワードの種類

NGワードとして使ってはいけない言葉は、その種類としてVulgar word(野卑な言葉)、Swear word(罵り言葉)、Dirty word(汚い言葉)に分けられます。さらに英語において絶対に口にしてはいけない言葉の総称としてFour letter word (4文字言葉)というものがあります。これは卑語が4文字で表わされるものが多いからで、典型的なのがFuck(性交)、Suck(吸う)、Shit(糞)、Cunt(女性器)などです。
【Fワード】
Fuckなどのいわゆる性的なワードですが、意味合いとしては性交の他に、日本語で言うところの「クソッ!」という表現をする際にも使われます。映画などで登場人物が「Fuck!」とセリフを言いますが、これは「クソッ!」という意味です。海外ではスラングとして普通に使われますが、海外で日本人が使うべき言葉ではありません。

【Cワード】
Cuntなどの卑語でこれも性的な意味合いとなるワードです。Cuntは直接的な意味は女性器ですが、女性を指す罵倒語として使われることもあり、絶対に使ってはいけないワードです。

【Nワード】
Nワードは人種差別的意味合いで、Nigger、Nigga、Negroなど、黒人を指す言葉です。これに限らずアジア系をYellow、アジア系アメリカ人をOrientalなどと言うことも差別的NGワードです。

F、C、Nのこれらのワードは、紙媒体に言葉として印刷されることもはばかられるので、“○ワード”という表現を使っています。それだけ危険な言葉と言えるので、海外旅行に行く時には充分に注意しましょう。

日本人の英語や日本と海外で意味が異なるワードにも注意

日本人の話す英語は、発音の違いからどうしても現地の人の英語とは異なります。さらにシチュエーションやアクセントなどで意味合いも変わってくるので、予期しない意味として相手に伝わってしまうとトラブルになることもあり得ます。また、日本と海外では同じワードでもその意味が異なり、場合によってはNGワードとなることもあります。英語を話すことが苦手なら自動翻訳機を使う、海外旅行で使いそうなワードはその意味をチェックしておくなど、事前の対策をとっておくのが大切です。

NGとなる表現やワード集

ここからは様々な表現での基本的なNGワードパターンの一例です。NGワードは、海外での現地の人たちとのコミュニケーションにおいて重要な部分でもあるので、文字数の許す限りABC順で掲載したいと思います。参考にして下さいね。

◎Asshole
「ケツの穴」を意味する汚いワードです。ケンカをした時など相手をディスる時に使います。間違いなく激怒されるので冗談でも使ってはダメです。

◎Bitch
これも有名な言葉ですが、「イヤな女」「売女(売春婦)」という意味であり、女性を強く侮辱することになります。激怒するか泣かれることになる最低のワードのひとつです。

◎Bullshit
「ふざけるな!」という意味のワードで、危険度は低いですが会話に慣れないうちは使わないほうが無難です。こういうワードを交えて会話ができるようになると海外でのコミュニケーションが楽しくはなりますが、調子によって会話すると酷い目に遭うかもしれませんから注意が必要です。

◎Cock
コックと言ってもこれは料理人のことではなく、男性器のことを意味します。ちなみに料理人の場合にはCookです。文字でも紛らわしいですが、話すときには発音の違いなどがある日本人では誤解を受けやすいです。単語のみを注意するというよりはその前後のワードを含めた会話として気をつける必要があるでしょう。

◎Cunt
「イヤな奴」という意味で、強い侮辱のワードです。映画などでは見られますが、実際にはほとんど使わない危険なワードといえます。

◎Damn it
「ちきしょう」や「クソ!」という意味ですが、これはよく使うので、軽めのNGワードといえるでしょう。親しい相手なら親しみを込めた意味になりますが、初対面で使うワードではありません。

◎Erection
「男性器が大きくなる」という意味で、NGというよりは、普通に使うと恥をかくワードといえるでしょう。似たようなワードにElection(選挙)があるので、こっちを使う時には間違わないように。CockとCook同様、要注意です。

◎Fuck you
映画などでよく出てくるワードですが、「くたばれ」「死ね」という意味です。中指を立ててFuck youなんて言ったら究極に最悪です!

◎Fuck/Fucking
これも映画などでお馴染みですが「クソ!」や「クソッタレ」など悪態をつく意味です。海外で日本人が使うと間違いなく白い目で見られます。

◎Give a fuck
「どうでもいい」「関係ない」というような意味です。友人同士などで使われることがある醒めた感じのワードです。観光先で使うことは無いはずです。

◎KKK
KKKはKu Klux Klanの略称で、白人至上主義の秘密結社のこと。人種差別団体の代表格ともいえます。現在では積極的な活動はしていませんが、KKKを知らないアメリカ人はいないほどです。直接的なNGワードではありませんが、誤解を招くことになりかねないので使用禁止と考えましょう。

◎Motherfucker
「イヤな奴」「あいつ」という意味ですが、相手に対して嫌悪感がある場合に使う言葉です。ですが、現地でイヤな目に遭ったからと言ってこれを使うと大きなトラブルになりかねません。

◎Nigger/Nigga/Negro
どれも黒人を表わす意味ですが、差別的表現のワードです。人種差別は大問題になりかねないので、これらのワードは使ってはいけません。

◎Prick
「イヤな奴」と言う意味で、相手をからかうような時に使われていますが、海外旅行で使うような言葉ではありませんね。場合によっては相手が激怒することも…。

◎Retarded
「バカ」や「ウスノロ」という意味ですが「知恵遅れ」という差別的意味合いが元です。Asshole同様にケンカの時に使うワードなので、普通は使いません。

◎Screw you
「くたばれ」という意味で、スラングをよく使う人などで聞かれますが、それなりの親しい関係性があればこそです。普通に使っていいワードではありません。

◎Son of a bitch
文字だと解りにくいですが発音は“サノバビッチ”。映画などでは聞き覚えがありますよね。「クソ野郎」という意味ですが、この中には「お前の母親は誰とでも寝るから、お前は父親が解らないだろう」という意味の、相手の母親までも侮辱することが含まれます。強い侮辱となるので危険度も高いです。

◎Whore
「売春婦」「娼婦」という意味で、Bitchと同じ女性を侮辱するワードです。コメディ映画などではよく耳にしますが、実際には使われるワードではありません。ご注意を!