日本の空港ならまだしも、海外旅行の現地の空港でトラブルに遭うとパニクってしまいそうですよね。海外の空港は割とズボラな所もあるので、しっかりと予防&対処をしたいところです。今回は、空港トラブルでいちばん重要な入国審査を中心に、空港で起こりがちなトラブルのお話しをしていきましょう。

海外の空港で入国審査をスムーズに済ますために…

旅行先の国の空港に降り立つと気分はもう現地到着気分ですが、正確には空港で入国審査を通過しないと入国したことにはならないのでまだ安心はできません。何事も無く審査を通るように、まずは入国審査の内容と注意点を事前に覚えておくようにしましょう。

入国審査の流れと注意するポイント

入国審査はパスポートとビザを元にして、基本的には渡航者の身元と渡航の目的を確認するために行なわれます。過去の渡航歴や、特定国では事前に入国許可が承認されているか、ビザが必要な渡航ならそれに見合ったビザを持っているかを確認されます。また、滞在期間や滞在予定地、帰国日などを質問されますが、これは発言内容に嘘が無いかを確認することが目的なので、普通に答えれば問題ないでしょう。

【入国の流れ】「空港到着→入国審査→荷物の受取り→税関→入国」というのが一般的な入国の流れ(荷物と税関に関しては後述)です。
入国審査で必要なものは、“パスポート”“ビザ”と国によっては“入国カード”です。さらに“査証”や出国時の“航空券”などが要求されることもあるので、取り出しやすい場所にしまっておくと便利です。

【入国審査での主な質問】審査官からいくつかの質問を受けますが、必ず質問されるのが「滞在の目的」「滞在期間」「滞在先」の3つです。最低でもこれらの質問にはスムーズに答えられるようにしておきましょう。旅行先の言語に自信が無いなら、自動翻訳機を使うのがおすすめです。

【入国審査での注意ポイント】
審査時に注意するべきポイントはいくつかあります。これらを覚えておき、何事も無く審査が通るように準備しておくといいでしょう。

※どんなことでも曖昧にせず、ハッキリと答える
もちろん嘘は禁物ですが、日本人特有の曖昧な返答もしないほうが無難です。審査官に対してハッキリと答えることで、やましいことが一切無いことを印象づけましょう。

※現地での行動をきちんと説明する
審査官によっては、現地での行動予定を聞いてくる人もいます。これを想定して、観光であればどこに行って何を見るのかなどの行動予定をきちんと答えられるようにしておくと慌てなくて済みます。

※ホテルの予約控えや帰りの航空券のプリントを用意する
審査時にホテルの予約表や帰国時の航空券を見せろ、といわれることもあります。最近は何でもスマホで事足りますが、入国審査時にスマホが不具合になると面倒です。これを考えると、コピーを取って持っている方が安心できます。コピーがあると、入国審査時だけでは無く色々なシーンで必要になった時にも便利です。

※審査官とのやり取りは冷静に行なう
入国審査官の中には、態度が悪かったり横柄だったりする人もいます。ですが相手は入国許可の権限を持つ相手、ここはひとつ我慢をして冷静に対応しましょう。イラッとした表情や舌打ちなどはしないことです。

※自動翻訳機での対応で切り抜ける
英語など、日本人の発音だと意味が通じなかったり誤解されることもあるかもしれません。特に突っ込まれた質問をしてくるようなら、自動翻訳機に登場してもらうほうが安心。現地語を楽しむのは入国後にしましょう。

その他の空港トラブルと予防&対処法

空港では入国審査以外にもトラブルになりがちなことがありますが、審査同様に事前に予防と対処法を考えて準備しておけば最低限で済ませられます。ここからは事案別のトラブルを考えていきましょう。

【税関】税関は入国審査の後に通る場所で、入国審査と同じくらい重要です。ここでは輸出入の手続きが正しく行なわれているかをチェックして、必要な税金を徴収します。また、輸出入が禁じられている品物が違法に流通していないかも取り締まっています。海外旅行者がここで注意するポイントは、免税範囲を超えた分を納税しているか? 輸出入が禁じられていたり、数量制限を超えた品物がないかどうか? ということです。さらに現金も対象になっていて、基本的には100万円を超える金額の場合は日本出国時と旅行先の国の税関それぞれで申告が必要となります。海外旅行で気をつけたいのは、お土産品などの種類と価格です。詳しくは税関ホームページで確認して下さいね。

財務省関税局 税関ホームページ
https://www.customs.go.jp/

【荷物の受取り】荷物の受取り場所で多いのは、主に“自分の荷物が出てこない”ことと荷物を待っている間に“盗難に遭う”ことです。もし機内に預けた荷物が出てこない場合には、バケージクレーム・カウンターに行って、搭乗時に渡される「バケージクレーム・タグ(手荷物引換証)」を提示して荷物を探してもらいましょう。また、盗難防止のためには場所に限らず荷物を置いたまま離れることは厳禁。特に貴重品は身につけておくことが大切です。万が一盗難に遭った場合には、すぐに空港スタッフに知らせましょう。

【パスポートを忘れた】空港に着いてからパスポートが無いことに気がつく…こうなると国際線に乗ることも出入国することもきません。予約している航空機もキャンセルになるのでスタッフに相談しましょう。防止法はただひとつ! 家を出る直前にもう一度パスポートなどの貴重品があるかをチェックすることです。

【国際線の乗り継ぎに遅れる】個人的な理由で乗り継ぎ時間に遅れてしまうと、再予約をすることになります。アテンダントに次の航空機に乗れるかを聞くか、カウンターが混雑しているなら航空会社に電話するといいでしょう。目的地まで同じ航空会社の場合だと便宜を図ってくれることもあるので、航空会社のカウンターで事情を説明しましょう。また、航空会社の都合による乗り遅れの場合には、次の便の確保や、当日が無理ならホテルの宿泊の準備などを無料でしてもらえます。

【時差】意外と多いのが、時差によるトラブル。空港に着いたら、その時点で必ず現地時間に時計を合わせておきましょう。これをしないと乗り遅れる可能性が高くなります。もしお土産購入や飲食で空港を回るなら、時間に余裕を持って戻ることも大切です。ギリギリだと搭乗拒否される可能性も出てきます。

【空港で使える基本的英会話集】
最後に、空港で困ったときに使える基本的な英会話をいくつか紹介しましょう。

※どんな場所でも
「Could you say that again?」もう一度言って下さい。
「Please speak more slowly.」もっとゆっくり話して下さい。
「My bag was stolen.」バッグを盗まれました。
「I lost my mobile phone.」スマホを紛失しました。
「I don’t know what to do.」どうすればいいか教えて下さい。
「How long does it take?」時間はどれくらいかかりますか?
「How much does it cost?」いくらかかりますか?
「Could you please check?」確認してもらえますか?
「Where should I go next?」次にどこ行けばいいですか?

※入国審査時
渡航目的「For sightseeing./For business.」観光です/仕事です。
滞在期間「One week./3 days.」1週間です/3日間です。

※荷物受取り場で
「My luggage is missing.」私の荷物が行方不明です。
「Here’s my claim tag. Could you please check?」これが荷物の引換証です。調べてもらえますか?

※航空会社カウンター
「I missed my connecting flight.」乗り継ぎ便に乗り遅れました。
「Could you get me another flight?」別の便を取ってもらえますか?
「I can’t find my boarding pass.」搭乗券が見つかりません。