日本では見られない絶景の中をサイクリングで駆け抜ける! 海外の観光地を巡るのもいいですが、異国の風を感じながら自然の風景を楽しむ旅行もいいものです。今回は、海外旅行でサイクリングを楽しむためのお話をしていきましょう。

海外でサイクリングを楽しむために

まずは自転車ツアーから始めよう!

海外旅行で自転車に乗るってどうやるの? 自転車は? コースは? サイクリングのための準備を含めて考えると最初はとても不安だと思いますが、実はさほど難しいことはありません。海外旅行のツアーの中には“海外自転車ツアー”というサイクリングを楽しむためのツアーもあります。もちろん個人的に海外でのサイクリング旅行を計画するのもありですが、最初のうちは個人でも家族でも参加できるツアーが安心です。

※海外自転車ツアーのポイント
【自転車やヘルメットが借りられる】ツアーでは基本的に自転車やヘルメットをレンタルできます。借りられる自転車は基本的にマウンテンバイク(MTB)なので、太いタイヤで安定して走ることができます。もし自分のサドルやペダル使いたい場合にも、持ち込むことで現地で取り替えてくれます。ただし事前に互換性を確かめておくのを忘れないようにしましょう。
また、自分の自転車を使うこともできますが、航空機への積み込みなど細かい確認が必要なので、ツアー会社へ相談が必要です。

【気軽に楽しめるサイクリングコース】自転車ツアーに参加する条件は「自転車に乗れること」のみ。レースとは違うのでハードに走ることはありませんが、自転車に乗り慣れていれば余裕を持って景色を楽しむことができるでしょう。コースにはオフロードが含まれていることもありますが、マウンテンバイクで気軽に安定して走れます。さらにサドル用のパッドなども借りられるので、不安がある時には現地ガイドにアドバイスを受けましょう。

【のんびり走れる道で安心】あくまでものんびりとサイクリングを楽しむことが目的なので、基本的には生活道が主なコース。子どもでも心配はありません。

【サイクリング以外のお楽しみも!】国や時期によって様々ですが、サイクリングの後には食事が待っています。レストランのように豪華ではありませんが、現地ならではの料理が楽しめます。また、キャンプのあるコースでもスタッフが設営してくれるので心配は無用。大自然の中でのキャンプは別格です! ちなみにスーツケースなどの大荷物がある場合、サイクリング中はサポートカーに積んでくれるので、参加者はサイクリングに必要なものを小型のポーチなどに入れて自転車に乗れば問題なしです。

自転車に乗るために自分で用意するもの、しておくこと

【服装】着ていく服装は動きやすいものが基本。また地域や季節によっては気候が変わることもあるので、薄手の服を重ね着するなどして、寒さや暑さに対応できるようにしておくといいでしょう。さらにアンダーウェアはスポーツ用の汗の抜けがいいものを選ぶと快適です。

【身につけるもの】ヘルメットは借りらますが、自分用のものがあるならそれでもOK。グローブは手のひらを護るためにはあった方が安心です。他にはズボンの裾止め(チェーンへの巻き込み防止)/サングラス(ホコリ、虫から目を守る)/シューズ(底が固めのもの)/小型のデイ&ウエストパック(最小限必要なもの入れ)などを用意しておきましょう。番外としては、筋肉疲労用のスプレーもおすすめです。

【旅行前に身体を動かしておく】サイクリングはスポーツでもあります。いくらのんびりとはいえツアーでは約半日程度は自転車に乗ることになるので、旅行前に自転車に乗るなどして身体を動かしておきましょう。これだけでも疲労度が変わってきます。

個人的に海外サイクリングするなら…

個人で海外サイクリングをする場合には、全てを自分で計画して、さらに自転車は持って行く必要があります。短距離のサイクリングであればレンタルもありですが、現地のレンタルショップを利用することになります。

【海外サイクリングデビューはアメリカで!】中距離以上の海外サイクリングをするなら、まずはアメリカがおすすめ。アメリカは他国と比べると道路状況がいい場所が多く、食料などの物資補給にも苦労しません。また、サイクリングする距離を考えても観光スポットが多いので1日で複数箇所を回るのもそう難しくありません。ただし前述したとおり全て自分で計画するので、目的地/休憩場所/時間配分/道路状況の確認/当日の天候などをよく考えて効率よく、安心して走るルートを探すことが大切です。

【海外サイクリングの基本ルール】何があっても自分の責任となる個人旅行なので、サイクリング時にも現地での基本ルールに従うことが大切です。アメリカに限らず、海外では自転車は歩道ではなく車道を走るのが基本なところも多いので事前に要チェック。基本的な交通ルールを覚えて安全に走りましょう。さらにヘルメット、サングラスは必須、身分証明書は肌身離さずに必ず持ち歩き、事故などの時に備えておきます。また、駐輪する時には、盗難防止対策をしっかりとることも重要です。この時には自転車単体のロックではなく、何かと繋いでおくと自転車の盗難防止になります。

まさに絶景! 世界のサイクリングコース

ヨーロッパを中心に、海外でのサイクリングで絶景を楽しむコースを紹介します。コースによって自転車ツアーがあったり、個人サイクリングが必要だったりするので、興味があるコースは詳細を事前にチェックして下さいね。

【バルセロナ/スペイン】エコブームで自転車人口が増えたバルセロナ。中世の建物が建ち並びショップやカフェもあるゴシック地区の散策や、ムンジュイックの丘で街を一望するなど、独特の風景を自転車ならではの目線で楽しめます。また、自転車ツアーではワインでの乾杯タイムも!

【パリ/フランス】パリ市運営のレンタサイクルシステムを利用して楽しめるサイクリンが魅力。街のいたる所にあるパーキングでレンタル&乗り捨てできるのが超便利で観光者にはうってつけです。花の都をゆったりサイクリングなんて、夢のようですね!

【ロンドン/イギリス】タワーブリッジ、セントポール寺院、ビッグベン、観覧車ロンドンアイ、そして夜のテムズ川沿いを照らし出すライトアップまで、自転車で周遊する贅沢が盛り沢山! 恋人や家族とのサイクリングに最適です。

【ブルージュ/ベルギー】自転車大国であるベルギーでは、国内の色々な場所で自転車がレンタルされています。石畳の古い街並みや田園風景が美しいブルージュからダンメまでのコースがおすすめです。

【デスロード/ボリビア】自転車中級者から上級者向けのサイクリングコースといえるのが、ボリビアの首都ラパスからユンガス地方のコロイコまでの山岳地帯を走るデスロードです。その名の通り、柵のない未舗装の道が切り立った崖沿いに続いているアブないコースですが、ボリビアの美しい山の連なりを一望できる絶景が魅力です。

【アムステルダム/オランダ】自転車先進国のオランダは、国民の自転車所有率が100%を超えるほど。アムステルダムも自転車に乗る現地の人で溢れていて、街の造りも自転車で20分ほど走ると市の中心部からどこへでも行けるようになっています。17世紀から18世紀の建物が並ぶアムステルダム運河沿いを走るのもよし、ファンデル公園を始めとする有名スポット巡りもおすすめです。

【日月潭/台湾】“台湾のへそ”と呼ばれる湖の日月潭は、北側が太陽の形、南側が月の形をした1934年に造られたダム湖です。湖の周囲は複数の種類があるサイクリングコースになっていて、時間によって湖の表情の変化を楽しめます。ここでの夕日の美しさには息を飲むことでしょう。