海外旅行先であまり気をつけない事柄として、日常生活で当たり前に使っている設備の違いがあります。現地のホテルやその他の施設において、日本とは異なる設備に戸惑ってしまうことも少なくありません。その中でもトイレの違いは、国によってはかなり衝撃を受けることになるかも! 今回は、海外のトイレ事情についてのお話しです。

事前に知っておかないと大変!? 海外のトイレ

「トイレなんて便器があれば用を足せるのだから気にしない」と、簡単に考えてる人も多いかもしれませんね。ですがこれはとんでもないことなのです。日本とは文化も風習も異なる海外では、国によってトイレ事情が大きく違ってきます。まさにカルチャーショックといえるでしょう。“急いで用を足したいのにどうすればいいの…?”なんてことにならないように、海外旅行先である国のトイレ事情を事前に把握しておくようにしましょう。

海外のトイレ“あるある”事情

海外の人が日本に来て感激することのひとつに、「日本のトイレは世界一綺麗で清潔で便利!」というのがあります。それほど日本のトイレは優れているといえるでしょう。逆に、日本人が海外に行って「何コレ!」となることも…。
海外のトイレはいったいどんなものなのか、国別で代表的な違いを紹介していきましょう。

【複数国/トイレの設置数が少ない】日本ではあちこちで見かける公衆トイレ。近年ではとても綺麗になっているので利用する人も多いと思いますが、海外では公衆トイレそのものの設置が少ないのです。あったとしても有料なことも多く、小銭がないと利用できません。外出するときには気をつけたいところです。

【複数国/トイレ内が汚い】レストランなどの施設にあるトイレはまだマシなのですが、特に公衆トイレはとんでもなく汚い国もあります。“ゴミが散乱している/汚物が残っている/使用済のナプキンやスキンが落ちている”などなど、入ることを躊躇してしまうかもしれません。有料トイレではこれほど酷くないかもしれませんが、緊急でトイレを探している場合にこれだと大ピンチ! こんな時のためには、後述するアイテムを持参するのが必須です。

【アメリカ、カナダ/ドアと床の隙間が大きい】映画やドラマで見たことがあるかもしれませんが、アメリカでは防犯上の理由からトイレのドアの下部分と床の隙間が大きく空いているのが一般的。外からちょっとかがめば中が見えてしまいそうです。ゆっくり用を足すというよりは、さっさと済ましたほうがいいかもしれません。また、欧米圏ではトイレのドアをノックするのは異常事態を伝える合図と取られるので、ノックはせずに隙間から人が入っているかを確認するようにしましょう。

【ヨーロッパ全般/日本にはない施設“ビデ”】
ヨーロッパでは、国によって“ビデ”という施設がトイレにあります。“ビデ”とは、用を足した後に下半身を洗う設備で便器の脇に設置されています。手を洗う設備ではないので間違えないようにしましょう。また、トイレの利用にはチップが必要なことが多いのですが、お釣りは出ないので小銭は常に携帯すると安心できます。

【中国、スペイン/便座やトイレットペーパーがない】近年では減ってきていますが、中国の公衆トイレはドアがなく、和式が多いことから便座もありません。またトイレットペーパーもないことが多いので、ペーパー持参が必要です。中国では以前は、特に公衆トイレが汚いことが当たり前でしたが、だいぶ綺麗になっています。また、スペインのトイレにも便座がなく汚いことも多いので、ウエットティッシュは必須。さらにトイレ内の電気は節電のために数分で切れるシステムの場合もあるので、使用する前に電気ボタンの位置を確認してくといいでしょう。

【台湾、韓国】台湾では下水管が細く、ペーパーを流すと詰まる可能性もあるので場所によっては設置されているゴミ箱に使用済ペーパーを捨てるようになっています。韓国でも同じシステムになっているトイレがあるので、注意しましょう。

【ブラジル/トイレのサイズが大きい】ブラジルのトイレは、とにかく便器のサイズが大きい! 小柄な日本人だとお尻が便器の中にハマってしまう可能性もあるので確認が必要です。さらに小便器の高さも高いので気をつけましょう。また、ブラジルでも台湾などと同じようにペーパーは流さずに捨てるのが普通です。

【ドイツ、スイス/日本と同じようなトイレで安心】ドイツのトイレは、設備や清潔さが日本と同じようになっています。他国の人もドイツのトイレは充実しているという認識があるので、日本人でも安心して用を足せるでしょう。使用済みペーパーも便器で流せます。
また、スイスも日本と変わらないトイレ事情なので安心です。ただし、ヒーター付きの便座やウオッシュレットはありません。

【イギリス/超ハイテク全自動トイレ】ロンドンなどの街中には、日本でいうと小さな交番のような箱の施設がありますが、これは有料トイレです。ここでは使用時間が最長20分と決められていて、これを過ぎるとドアが自動的に開いてしまいます。そしてドアが閉まるとトイレ内の全ての洗浄が自動的に始まります。便器から壁、床まで、トイレ内を消毒液と水の噴射で洗い流流すので、もし中にいたらビショ濡れです。イギリスへ行ったら、土産話に利用してみるのもいいかもしれませんね。

【インド/究極の拭き方】
インドでは、水の入った缶を持って草原でウンチをする人も珍しくありません。なぜ缶を持っているのか? それは中の水を使って自分でお尻を洗うから! これは草原だけではなく、トイレに入っても同じ。トイレの横にある蛇口をひねって水を出し、自分の手で洗います。これぞ究極のトイレ事情ですね!

旅行先でのトイレで困らないためのポイント

海外では、ここで紹介した国々以外にも異なるトイレ事情があるでしょう。また、最近では各国のトイレ事情も変化していて、心配する必要も少なくなっているかもしれませんが、用心するにこしたことはありません。ここでは海外のトイレで困らないためのポイントをご紹介します。

旅行先でのトイレで気をつけるポイント

※ホテルやレストランなど、確実にトイレがある場所に居るときには、尿意や便意があまりなくても行っておく
※飲み物や食べ物を過剰に取らないようにしておく
※現地での行動計画で、要所要所でトイレ休憩用の場所を入れておく
※ホテルやショッピングモールを外出時の行動の拠点にして、疲れたりトイレに行きたくなったら戻れるように場所を把握しておく

海外旅行におすすめのトイレグッズ

※除菌シート、除菌スプレー
海外のトイレの衛生状況を考えて、除菌系グッズは持っていた方が安心です。
※トイレットペーパー
国や地域によってはトイレにペーパーがないことも…。これを考えてトイレットペーパーの持参をおすすめします。
※ウエットティッシュ
何にでも使えるウエットティッシュは、トイレでも大活躍します。手を拭くのはもちろん、万が一の場合にはお尻を拭くことも。アルコール、ノンアルコールタイプの2種類を持って使い分けましょう。
※携帯ウオッシュレット
最近では携帯型のウオッシュレットもあります。特に女性の場合には重宝するでしょう。
※ゴミ袋
トイレ用のゴミ袋を持って行くと使用済のペーパーやウエットティッシュなどの処理で困ることはありません。トイレの中に放置するのは厳禁です!
※携帯用トイレ
あまりに汚い、使い方が解らないなど、どうしても現地のトイレが使えない場合を考えて、コンパクトな携帯用トイレを持って行くのも方法です。