海外旅行で飛行機に預けた荷物が紛失したときの対策とは
海外旅行でのトラブルで多いのが、荷物トラブルです。現地で盗まれたり空港に荷物が届かなかったりと様々ですが、その中で今回は飛行機に預けた荷物のトラブルに関してのお話しをしていきましょう。
飛行機での荷物トラブルとは?
現地到着時や帰国時、どちらにしても荷物のトラブルは嫌なものですが、海外旅行では比較的起こりがちなのです。トラブルを避けるためにも、荷物トラブルではどんなことが起こるのかを知っておきましょう。
ディレイドバゲージとロストバゲージ
飛行機での荷物トラブルには主に2パターンあります。
ディレイドバゲージ
ディレイドバゲージとは、飛行機(航空会社)に預けた荷物が何らかのトラブルで延着すること。
ロストバゲージ
ロストバゲージとは、預けた荷物がやはり何らかのトラブルで延着、もしくは紛失すること。
正確には上記のように2種類の言い方になりますが、ロストバゲージの方がその意味が広いことから予定の時間通りに荷物が届かないことを総称してロストバゲージということが多いようです。ほとんどの場合、1日から3日間くらいの間に遅れて届くことになりますが、最悪の場合、紛失の可能性もあり得ます。 ちなみに、航空会社ではディレイドバゲージ(荷物が遅れただけ)では一切の責任を負わず、ロストバゲージ(荷物が紛失する)のみ補償するようになっています。 ただし海外旅行保険の場合には、保険会社にもよりますがディレイドバゲージでも補償が付く場合があります。
荷物が延着、紛失する原因は?
では、なぜ荷物の到着が遅れたり紛失したりするのでしょうか? 主な原因としては、
間違ったタグのために荷物が違う飛行機に乗せられた
預けた荷物は、行き先や便名が記されているタグで管理されているのですが、もし間違ったタグが付けられてしまうと、全く違う便に乗せられてしまうことになります。
手作業のヒューマンエラー
システムが故障すると手作業で荷物を管理することになりますが、この時に人為的ミスで違う便に乗せられることも…。
飛行機乗り継ぎの際の処理の不備
飛行機を乗り継ぐ時にうまく積み替えが進まなかったりすると、人間だけ間に合って荷物は間に合わなかった、というパターンもあります。乗り継ぎの時間が短い場合に起こりがちです。
保安検査で不審物が疑われる
経由地で行われるX線などの保安検査で不審物が疑われると、飛行機に積まれなくなることもあります。
誰かが間違えて持って行ってしまった
似たようなスーツケースなどの荷物の場合、誰か他の人が間違えて持って行ってしまうこともあり得ます。実際には空港に届いていても、これでは見つかるはずがありません。
カバンやスーツケースなどが壊れて開いてしまった
カバンやスーツケースが壊れてしまった場合にも、飛行機に乗せられないこともあります。
行き先不明の荷物になっていた
荷物からタグが外れてしまい行き先も便も解らなくなると、行き先不明の荷物として処理されてしまいます。そうなると当然飛行機には乗せられません。
ロストバゲージになったときの対応の仕方
もし荷物が届かず、そのまま紛失するロストバゲージになってしまったらどうすればいいのでしょうか? その基本的な対応方法を紹介しましょう。
1、航空会社の係員に事情を説明する
空港では、荷物はコンベアー(ターンテーブル)に乗って流れてきますが、いくら待っても自分の荷物が出てこずにコンベアーが止まって終了してしまったら、まずは航空会社の係員に荷物がないということを説明して探して貰いましょう。 この時には、荷物を預けた時に渡されるクレームタグ(荷物の引換券)が必要になるので、絶対に失くさないようにすることです。
2、“手荷物事故報告書”を作成する
係員が探してもどうしても見つからないようであれば、“手荷物事故報告書”を作成します。 これには自分の荷物の種類や形、色、内容物などの特徴を細かく書いておきます。もし荷物の写真などがあれば添付しておくといいでしょう。 そして荷物が見つかった場合の連絡先をしっかりと記入して、見つかったらすぐに連絡をくれるように伝えておきましょう。 “手荷物事故報告書”を作成すると控えを貰えます。これには航空会社の連絡先などが記入されているので、失くさないように保管しておきましょう。
3、とりあえず必要なものを現地調達する
預けた荷物の中には、洗面用具や着替えなどのすぐにでも使いたい物も入っているはず。この時点で荷物がどうなるか不明な状態なので、とりあえずは必要なものを現地で買い揃えておきましょう。 そして買った時のレシートは必ず保管しておきます。このレシートは、荷物の紛失が確定した際に受けられる補償に必要となります。
4、海外旅行保険の保険会社に確認をする
身の回りの物を揃えてひと段落したら、とりあえず海外旅行保険の保険会社に連絡して、補償内容を確認しておきましょう。 会社にもよりますが、6時間以上の延着であれば、当日から3日~4日くらいの間に購入した身の回り品は「航空機寄託手荷物遅延費用」の補償対象になります。 ただし、6時間以内に荷物が見つかった場合には補償されません。
5、紛失が確定したら航空会社に補償を求める
延着ではなく紛失のロストバゲージが確定したら、航空会社からの補償が受けられます。補償内容は航空会社によって異なってくるので、しっかりと内容を確認して補償を受ける手続きをしましょう。
ディレイド&ロストバゲージを避けるためにすること
そもそも荷物トラブルは起きないのがいちばんです。そのためにできる基本的自衛策も覚えておくといいでしょう。
※預ける荷物全てに、自分の身元と連絡先が解るタグを付けておく
※すぐに自分のスーツケースだと解るように、他人の物とは違う印(シールやペイントなどでも可)を付けておく
※航空スタッフなどが間違わないように古いバゲージクレームタグは外しておく
※パスポートやクレジットカード、現金などの貴重品は必ず手荷物として機内に持ち込む
※最低限の洗面道具や着替え、薬などは手荷物としても持っておく
※貴金属類やデジカメ、パソコンなども手荷物として機内に持ち込むようにする
などがあります。重要なのは、万が一に備えておくことです。
どんなに注意しても、ディレイドバゲージやロストバゲージは起こる可能性があります。これが帰宅時であればまだいいのですが、現地で起こってしまうと旅行自体が台無しになりかねません。前述したように最低限必要な荷物は手元から離さないようにしておくことが重要です。 また旅行の出発前に、自分の海外旅行保険の内容を再確認しておくことも大切です。 荷物トラブルに合ったとしても、最低限の被害で済むようにしておきましょう。