LCC(格安航空会社)を利用する時に気をつけたいこと
“飛行機の航空券は高い”という認識はすでに昔のもの。 今では格安航空券やLCCを利用することで、低価格で飛行機に乗ることが出来ます。 飛行機はそもそも交通手段のひとつであって、目的(現地に行く)を達成するための手段です。安いに越したことはありません。 Z
LCCとは?
LCCとは、ローコストキャリア(Low cost Carrier)の略で、格安航空会社のことをいいます。1990年代にLCCが登場するまでは、全日空(ANA)や日本航空(JAL)などの大手航空会社でしか飛行機に乗ることは出来ませんでしたが、LCC登場後には選べる航空会社の数が劇的に増えました。
LCCの特徴とは
「飛行機に乗る=お金がかかる」が常識だった頃は、気軽に利用することは難しかったですが、世の中がよりグローバルな活動が必要になったことで世界は一気に狭くなり、飛行機を利用した移動も昔とは比べられないほどに増えました。そうなると、“もっと安く飛行機に乗りたい”“過剰なサービスはいらないから”というような声も多くなり、それに応える形で登場したのがLCCなのです。
LCCの基本的な特徴は「無駄を省いて徹底的に効率を追求する」ということです。効率を重視した考えによって、航空券の価格も驚くほどに安くなりました。
電車やバスと全く同じ、とは言いませんが、それに近い感覚で利用する交通機関になったとも言えるでしょう。
LCCのポイントと注意点
効率を重視した考え方によって運航しているLCCには、大手航空会社とは違う独自のポイントや利用する時の注意点があります。最初にこれらをよく理解することが大切です。
LCCのポイントとは
とにかく安い
LCCの最大のメリットは運賃の安さです。大手航空会社の航空券よりも約2割から5割、場合によってはそれ以上の安さのこともあり得ます。
多種なセールやキャンペーンでさらに安く
LCCでは、それぞれの航空会社でセールやキャンペーンを多数行っています。各LCCで会員やメルマガを登録しておけば、これを利用してさらに安く航空券を買えるでしょう。
汎用性が高い
大手航空会社では往復での利用の方が料金が安いことからも往復航空券が主流ですがLCCでは片道ベースで料金が設定されているので、片道航空券購入がメインです。最低滞在日数や最大滞在日数の制限がないので、最初から海外旅行の日数や経路などに縛られることがなく、自由に予定を立てることが出来るのです。
LCCの注意点とは
航空券はインターネットで購入する
LCCでは、対面式の航空券販売所ではなく、ほとんどがインターネットからの購入になります。この時の注意点としては、オンライン予約の完了後に届くメールの予約確認ページを必ず印刷しておくことです。これが航空券の代わりとなります。
マイレージは貯まらない
大手航空会社では当たり前にあるマイレージですが、LCCではほとんどありません。もしマイレージを貯めたいと思っているのであれば、大手航空会社を利用したほうがいいでしょう。
空港の受付カウンターの場所が解りにくい
空港での受付カウンターは、良い場所はほとんどが大手航空会社で占めているので、LCCのカウンターが隅に追いやられているのが実情です。そのためにカウンターに行くまで思わぬ時間を取られることもあるので、あらかじめカウンターの場所をしっかりとチェックしておき、時間的に余裕をもって空港に行くことが大切です。
遅延やフライトキャンセルも可能性も…
LCCは効率のいいフライトスケジュールを立てているために、もしどこかで故障などが発生すると後続便にも多大な影響を与えてしまいます。そのために遅延することも少なくありません。さらに、遅延によって空港施設の利用可能時間が過ぎてしまうと欠航になることもあります。また、飛ぶ予定の飛行機の予約が期待値以下だった場合、早々とフライトキャンセルになることも…。
欠航時などの補償がない
上記のように欠航になった場合、大手航空会社ならホテルの予約や振り替え便の手続きなどを行ってくれることが多いですが、LCCではこれは期待できません。すべて自分で処理する必要があります。
航空券購入後の変更は不可能
LCCの航空券を予約購入したら、必ずそれに従って行動することは必須です。あとから変更することは出来ません。また、もしキャンセルするにしてもそのキャンセル料はかなり高くなってしまうことを覚えておきましょう。
預け荷物が有料
ほとんどのLCCでは、預け荷物は有料です。そして機内への持ち込み荷物では、そのサイズや重量がかなり厳格に決められています。持ち込み荷物は最低限にすることが、費用節約となるでしょう。
機内サービスがすべて有料
座席指定や飲食サービス、エンターテインメントから毛布まで、LCCは機内でのすべてのサービスが有料です。これらは大手航空会社では受けられて当然のサービスなので、初めて利用する時は驚いてしまうかもしれませんが、コスト削減によって低価格航空券を実現しているLCCでは当たり前のことなのです。
飲食物の持ち込みはLCCによって禁止されているところもあるので確認が必要ですが、本や映画、音楽などのエンターテインメント系はスマホなどに入れておくなどして、自分で持っていくようにしましょう。
座席スペースが狭い
LCCの飛行機では、座席数を増やして一度により多くの乗客を運ぶようにしていることもあり、一つひとつの座席のスペースが狭くなっています。短距離であればいいのですが、中距離や長距離での利用の場合には、身体に影響が出てくることもあり得るので十分に注意が必要です。小まめに体を動かしたり、水分を多めに補給するなどの対策をしましょう。
深夜到着便が多い
LCCでは現地の到着が深夜になる便も少なくありません。さらに、遅延による深夜到着の可能性もあり得ます。そうなると公共交通手段が使えなくなるので、到着時間が解った時点でどのように対応するかを考えることが必要です。
代表的なLCCとして
現在ではさまざまなLCCが存在しますが、中でも代表的なのが以下の5社です。
ピーチ・アビエーション 2012年に日本初のLCCとして登場した航空会社。関西空港を中心に運行をしています。 https://www.flypeach.com/pc/jp
バニラ・エア 全日空(ANA)から出資を受けたLCC。成田空港を中心に運行しています。 https://www.vanilla-air.com/jp
ジェットスター・ジャパン オーストラリアなどへの運行をはじめ、国際線LCCとして有名な航空会社。他社よりも安めの価格設定がポイントです。 https://www.jetstar.com/jp/ja/home
エアアジア・ジャパン アジア最大の格安航空会社エアアジアの共同出資でスタートしたLCC。一時日本からは撤退していましたが、出資先の変更と共に再就航しています。 https://www.airasia.com/
春秋航空日本 中国系LCCとして有名な航空会社。成田空港を中心として運行しています。カップを購入すれば飲み物が飲み放題など、オリジナルのサービスもあります。 https://oldjp.ch.com/
格安航空券については他のコラムでご紹介しています。
LCC(格安航空会社)を利用する時に気をつけたいこと https://www.interbank.co.jp/column/7093/
どのLCCもそれぞれに特徴があるので、各航空会社のHPをしっかりとチェックして、自分の希望や好みに合った航空会社を利用するようにしましょう。
徹底した効率化によるコスト削減での低価格なので、それ以外の部分では大手航空会社よりも劣る部分も多いLCC。ですが、そのポイントをしっかりと把握して利用することで、安くて自由な海外旅行をすることが出来るでしょう。