海外旅行で3大被害の「置き引き・スリ・引ったくり」の防止策のポイント

異国の情緒と文化に触れ合えるのが海外旅行の大きな魅力。日本とは異なる部分が沢山あるのは当然のことですが、その中で“治安”という部分では注意しなければならないことも多くあります。

世界一安全、といわれる日本に住んでいるだけに、日本ではあまりあり得ないような犯罪に巻き込まれることも…。その中でも、海外旅行者が狙われやすい盗難の3大被害について解説していきましょう。

3大被害の特徴と防止策

どの国でもいえることですが、観光客は盗難のターゲットになりやすいものです。特に日本人はお金を持っていると思われがちなので気をつけたいところ。海外で気分はウキウキだと思うのですが、最低限のことには注意する必要があるでしょう。

置き引き

狙われやすい場所

空港/ホテル/レストランやカフェなど

よくある手口

チェックイン中を狙う

3大被害の中でも、日本人観光客が遭遇する可能性が最も高いのが置き引きです。特に、空港やホテルでのチェックインやチェックアウト中に狙われやすくなります。手続きを取っている間に荷物やバッグなどを持って行かれてしまいます。

トイレなどに行っているスキに…

レストランやカフェなどで、荷物を置いたままトイレなどに立つのはいちばん危険です。トイレから戻る頃には荷物がなくなっているかもしれません。ほんのわずかな時間でも置き引きされる可能性が高いので、荷物の置きっ放しは厳禁です。

スマホなどを見ている間に…

これは場所を問わずいえることですが、スマホなどで情報チェックや電話に夢中になっていると、その間に置き引きされる可能性もあります。荷物を下に置いてスマホをいじるのはやめた方がいいでしょう。

防止策

荷物を身体から離さない

空港やホテルのカウンターなどで手続きをする時、またはロビーでイスなどに座るときには、荷物を身体から離さないようにしておくことが大切です。荷物は膝の上に置くのを基本に、大きい荷物であれば足に挟んで下に置く、腕を通して横に置くなどをすることで被害を防げます。

荷物を置いたままにしない

絶対にしてはいけないのは、たとえわずかな間でも荷物を置きっ放しにしてその場を離れないこと。置き引き犯にとっては、数秒間あれば十分な時間なのです。どうしても荷物を置いていく必要がある場合には、旅行の同伴者にしっかりと見張って貰うように頼んでおきましょう。

貴重品は常に身につけておく

財布やパスポートなどは、大きな荷物の中などに入れずに肌身離さず持っていることも大事です。また、貴重品を入れてあるバッグやポーチは、常に身につけておくようにしましょう。

上着をイスに掛けない

レストランなどで上着をイスに掛けておくと、ポケットに入っているものを持って行かれる可能性もあります。内ポケットに財布などを入れたままイスに掛けるのはとても危険なので、絶対にしないようにしましょう。

スリ

狙われやすい場所

観光地/電車やバスの車内/市場やショッピング街/美術館など

よくある手口

突然話しかけてくる

中でも多いのが「何らかの質問などで話しかけてきながら」というものです。この手口では複数で行うことも多く、ひとりが話しをしている最中に、気を取られているうちに他の犯人がスルわけです。もし見知らぬ誰かに話しかけられたら、後ろなどにも気を配り、手荷物を気にかけながら対応しましょう。

押したりぶつかってきたりする

もうひとつは、いきなりぶつかってきてスルというものです。混雑しているとぶつかったり押されたりしてもあまり気にならないものですが、その瞬間に犯行に及びます。この時に、飲食物をわざとこぼしてターゲットの人の服などを汚し、それを拭くフリをしながらスル、という場合もあります。不自然にぶつかったり押されたりした場合には、すぐに持ち物がなくなっていないかをチェックしておきましょう。

防止策

無防備に財布を持ち歩かない

どんな場所に行くにしても、あまり大金を持ち歩かない、というのは大前提です。 そして財布などをバッグの出し入れ口の近くや、上着やズボンの後ろポケットなどには入れないことです。周囲から財布が見えるような持ち方では、“どうぞスッて下さい”といっているようなものです。

リュックやバッグは出し入れ口の形状と持ち方に注意する

出し入れ口が大きく空いているようなバッグは危険度が高くなるので、チャックなどで閉められるタイプが無難。また、生地の薄いものだとカッターなどで切られる可能性も出てくるので、厚めで丈夫な素材のものがオススメです。

そしてバッグを持つ時には、バッグ本体が後ろ側に向くような持ち方をしないこと。肩にかけても、本体は常に前になるようにしましょう。リュックなども前に持つほうがいいでしょう。

歩きスマホは禁止

日本でも歩きスマホはよくないといわれますが、海外ではその意味が違ってきます。 歩きながらの電話やスマホの操作は無防備な状態で歩くことになり、スリの格好のターゲットになります。また、スマホ自体を盗まれることもあるので、日本と同じような感覚でスマホを扱うのは危険でしょう。

引ったくり

狙われやすい場所

観光地やショッピング街を歩いている時/電車やバスの車内など

よくある手口

歩いている時に後ろから…

ショッピングをしながら、あるいは目的地まで歩いている時に、後ろからいきなりバッグなどを引ったくって逃げるという犯行です。多いのはバイク、あるいは自転車で後ろから近づいて引ったくり、そのまま走り去るパターンです。乗り物に乗っての犯行だと、あっけにとられているスキに逃げられてしまいます。

電車やバスなどの入り口付近で…

電車やバスで入り口付近に立っていたりすると、ドアが閉まる直前に荷物を引ったくってそのまま降りてしまいます。ドアが閉まって走り出してしまえば、どうすることも出来ません。

防止策

被害に遭っても深追いはしない

これは防止策ではありませんが、最初に言っておきたいことは、もし被害に遭ってしまっても、自分で犯人を追いかけるなどの深追いは絶対にしてはいけない、ということです。

引ったくりの場合、スリや置き引きなどの“ターゲットに気づかれないように犯行に及ぶ”というのとは異なり、最初から“強引に盗んで逃げる”という性質のものなので、犯人も「もし追ってきたら…」ということも念頭に入れている可能性があります。

そうなるとナイフや銃などを持っていることもあり得るので、ヘタに追いかけると逆に襲われるかもしれません。命よりも大切なものはないはずです。深追いだけは厳禁、引ったくりはいちばん荒っぽい犯行なのです。

荷物の持ち方に注意

防止策としては、まずスリの場合と同じような点を注意することが基本です。さらに、道路では車道側は歩かないようにすることが大切です。また、荷物は前側に持つのが基本ですが、もし肩にかけるときなどは車道側ではなく、建物側に持つようにすることも防止策になります。

乗り物内ではドア付近にいないこと

電車やバスに乗ったら、入り口付近に立たずに、奥に移動しましょう。さらに座る場合でも入り口付近は避けるようにすることも大切です。これだけで犯人からのターゲットからは外れることになるからです。

あまり高価なものは身につけない

引ったくりで狙われるのは、バッグなどの荷物だけではありません。高価なネックレスなども引ったくられる可能性があります。これは極端な例ですが、高価なブレスレットや指輪などをしていると、大きなナイフなどで腕ごと切り落として盗む、といった例も過去には実際にありました。決して脅かすわけではありませんが、高価な装飾品はあまりしていかないほうが無難でしょう。

盗難被害全般にいえるポイント

海外旅行先での盗難被害に対して、手口の種類を問わずに注意しておきたい基本的なポイントをまとめました。

あまり大金を持っていかない

“日本人観光客は大金を持っている”というイメージがあり、狙われやすいこともあるので、あまり多額の現金を持っていかないようにしましょう。また、アクセサリーなども高価なものはしていかないほうが無難です。

盗難保険を確認しておく

たいていのクレジットカードには付帯の保険が付いています。自分の持っているカードに盗難被害の保険が付いているかを事前にチェックしておきましょう。

自分で犯人を追わない

先にも話しましたが、自分で犯人を捕まえようとはしないことです。従業員や警察に知らせることが第一、ケガをさせられたりしたら元も子もありません。海外では銃を持っていることも珍しくありません。要注意です。

盗難防止グッズを活用する

貴重品を入れられるショルダーベルトや防犯ブザーなど、現在ではさまざまな盗難防止グッズがあります。これらを持っていくのもいいでしょう。詳しくは以下の記事をチェックして下さい。

コラム「持っていくと安心! 海外旅行盗難防止グッズ」 https://www.interbank.co.jp/column/6060/