海外旅行へ行く前に! 知っておきたい外為規制の基礎知識とは
海外旅行に行く時には、日本の通貨を旅行先の国の通貨に外貨両替する必要がありますが、自分が持っていたい現金を好きなだけ、というわけにはいきません。
日本の外為法や各国の外為規制によって、現金類の持込や持出規制での制限を守らなければなりません。
多少面倒なことではありますが、この外為規制をきちんと理解しておくことも、海外旅行をスムーズに楽しむためのひとつと言えるでしょう。
『外為法』とは?
『外為法』とは、「外国為替及び外国貿易法」の略で、外国為替や外国貿易その他の対外取引を総合的に対象とした法律で、日本の対外取引の基本法のことです。
この中に外国為替に関する業務も含まれていて、これによって日本円を各国の通貨に代える際の規制になっています。
基本的には、“100万円相当額以上の現金(外国通貨含む)・小切手(旅行小切手含む)・約束手形・有価証券、重量1キロ以上の携帯する金の地金(純度90%以上)などの持出、海外からの持込をする場合には、日本税関において所定の届出が必要”となり、もしこれを無届でしてしまうと、罰則規定が適用されてしまいます。
さらに、旅行先である各国にもそれぞれに外為規制があるのでこれも知っておく必要があります。
各国の外為規制
各国の外為規制は、アメリカ・ヨーローッパ・アジアなどでその内容が異なってきます。
多額の現金の持込や持出は、マネーロンダリングや脱税を疑われてしまう元にもなってしまいますので、注意しましょう。
◎主要各国の規制内容
インターバンクでは、12種類の外貨を取り扱っています。
その12カ国それぞれの規制内容をまとめたものが以下です。
アメリカ/アメリカドル(USD)
アメリカドルとその他の国の現金・トラベラーズチェック・有価証券・小切手等が、合算で1万アメリカドル相当を超える場合には申告が必要。
ヨーロッパ/ユーロ(EUR)
フランス・ドイツ・イタリア・オランダ等のEU圏とイギリス国内への1万ユーロ相当以上の現金類の持込、持出には申告が必要。
中国/中国人民元(CNY)
持込は中国人民元の場合は2万元まで、外貨の場合は5000アメリカドル相当額までOK。それ以上の場合には申告して貰える携帯証(外貨持出許可書)が必要。
持出は申告した額以内までOKで、それ以上の超過分は申告が必要。また、中国人民元の持出は2万元までOK。
韓国/韓国ウォン(KRW)
持込は無制限で、1万アメリカドル相当を超える外貨の持込には申告が必要。持出は申告した額以内までOK。また、現地でウォンを外貨に両替した場合の持出には外貨両替証明書が必要。証明書が無い場合には1回に限り100アメリカドル相当額までOK。
香港/香港ドル(HKD)
持込、持出の全てが無制限でOK。
台湾/台湾ドル(TWD)
1万アメリカドル相当を超える外貨の持込、持出には申告が必要。台湾ドルは6万まで、中国人民元は6000元までOK。
イギリス/イギリスポンド(GBP)
外貨やトラベラーズチェックを含み、持込、持出共に1万ユーロ以上は申告が必要。
カナダ/カナダドル(CAD)
持込、持出共に1万カナダドル相当以上は申告が必要。
オーストラリア/オーストラリアドル(AUD)
持込、持出共に1万オーストラリアドル以上は申告が必要
ニュージーランド/ニュージーランドドル(NZD)
持込、持出共に1万ニュージーランドドル以上は申告が必要。
シンガポール/シンガポールドル(SGD)
持込、持出共に3万シンガポールドル以上は申告が必要。
タイ/タイバーツ(THB)
外貨の持込は無制限、持出は申告した額までOK。タイバーツの場合は持込、持出共に5万タイバーツまでOK。それ以上の場合には申告が必要。
刻々と変わる国際情勢を見据えて
外貨両替についての規制を守るのは当然ですが、最近ではイギリスのEU圏離脱など、世界情勢が刻々と変化しています。
当然、外為規制にも影響が出てくる可能性もあるので、海外旅行をする際には安全面も含めて国際情勢をチェックしておくと安心です。
また、外貨の両替は日本でも現地でも、銀行や空港など複数の場所ですることができます。ですが、両替には手数料がかかるので、なるべく手数料の少ない所で両替することがポイントになります。
海外旅行を楽しくするためにも、為替規制をきちんと知って、賢く外貨交換をしていきましょう。