連日のうだるような暑さや突然の豪雨! ここ数年の気象状況はまさに異常気象といえます。これは日本だけではなく、世界各地で起きている地球規模の異変です。今回は世界で起こっている異常気象についてと、海外被災マニュアルをご紹介。地球…ヤバいかも!?

数年前から警告されている、世界の異常気象

日本特有の美しさのひとつに、はっきりとした四季の変化がありました。春夏秋冬で異なる顔を見せる自然の美しさは、世界でもあまり例を見ない独自のものでした。ですが、ここ数年そんな四季折々の変化も次第に薄れています。このような変化は日本だけではなく、世界各地で起こっています。今現在、世界で何が起こっているのか? その原因は何なのか? フィクションの映画ではなく、現実の世界で起こりつつある異常気象について考えていきましょう。

世界の科学者たちが警告する異常気象

ここ数年、世界の気候記録が次々と更新されています。これに対して世界の科学者たちは、地球は“未知の領域”に入りつつある、と警告しています。昨年2023年の時点で、気温や海水温、南極の海氷などの気候指数でさまざまな記録が更新されたといいます。この変化のスピードとタイミングは前例がない展開だと警告する科学者も…。さらに国連では、欧州で続く危険な熱波で記録が更新されているとも述べています。
ですが自然である天候や海の事象はとても複雑であり、この記録更新の出来事と気候変動を単純に結びつけることは難しいともいいます。

【気温50℃の熱波も…2024年の殺人猛暑!】そして今年、国連のグレーテス事務総長から衝撃の発言がありました。「極端な高温が蔓延して、世界各地で気温が50℃に達する熱波が起きている。推定される死者50万人、労働人口の7割以上にあたる24億人が猛暑の危機にさらされている」と。さらにEUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、7月22日時点の世界平均気温が1940年以来最高を記録。今年6月まででも13ヵ月連続で最高を更新し続けていて、インドの首都ニューデリーでは今夏になんと53℃近くまで上がりました。
これらの原因は、石油や石炭などの化学燃料への依存といわれています。化学燃料を燃やすことで大量の二酸化炭素や窒素酸化物が発生、温室効果ガスの濃度が上昇して大気が膨大に熱を吸収、その結果記録的豪雨や洪水、干ばつ、山火事が発生するということです。これら異常気象の大きな要因のひとつが地球温暖化なのは間違いのないことなのです。

【地球温暖化とエルニーニョ現象】地球規模の気候変動をもたらして、自然環境と人々の暮らしに多大なる被害をもたらすといわれる地球温暖化。地球温暖化とは、温室効果ガスが増えすぎて宇宙に逃げるはずの熱が地表に溜まりすぎてしまうことです。これによって気温の上昇や地球全体の気候を変化させてしまいます。温室効果ガスとは、大気中にある二酸化炭素やメタン、フロンなどのことで、地球の海や陸を温めてくれている太陽からの熱を宇宙に逃げすぎないようにしています。
この温室効果ガスがないと太陽からの熱がすべて逃げてしまい、地球全体の気温が氷点下になってしまうのですが、逆に温室効果ガスが溜まりすぎてしまうと宇宙に逃げるはずの熱がまったく放出されず、地球の気温に大きな影響を与えることになります。これにより異常気象や生態系の変化、農作物や水産物への悪影響、感染症の蔓延をまねく確率がとても高くなります。そしてもうひとつはエルニーニョ現象の変動性が増大するということです。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面の水温が平年よりも上昇、その状態が1年間程度続く現象のことで、これにより地球規模の気候に影響を与えて通常の気象パターンを混乱させ、激しい嵐や干ばつなどをもたらします。

【どうする地球温暖化?】世界全体から排出される温室効果ガスの中で、その約80%を占めるといわれるのが二酸化炭素です。二酸化炭素の排出量が増える要因は、電気や石油を多く使う生活をしていることが大きく挙げられます。地球温暖化を少しでも防ぐために人類全体でできることは、二酸化炭素を出す量を減らすことです。これはそれぞれの生活に影響があることではありますが「車を使わず自転車や徒歩を増やす」「肉や乳製品を減らして野菜や果物、豆類などの摂取を増やす」などを筆頭として色々とあります。地球温暖化は、企業はもちろん人類ひとりひとりが対応することで防いでいくことも可能なのです。

もし海外旅行中に災害に遭ったら

ここからは、もし海外旅行中に災害に遭ったときにどうするかのお話しです。猛暑や豪雨、さらに地震などによる自然災害はいつどこで遭遇するかわかりません。万が一のときのための準備と、災害に遭ったときの対処の仕方を覚えておきましょう。ちなみにこれらは自然災害だけではなく、犯罪に巻き込まれたり、ケガや病気になったときにも役立ちます。

海外旅行前の準備

「備えあれば憂いなし」という言葉通り、万が一のための準備は通常時でも“安心”という心の余裕を持たせてくれます。めんどくさがらずに準備しておくことをおすすめします。

【海外旅行保険に加入】海外旅行保険の加入は基本です。クレジットカードの付帯保険でもいいのですが、地震や噴火、ハリケーンなどの自然災害から事故によるケガなどまで、クレカの種類によっては保証されない項目を足しておく方法もあります。旅行先の気候や治安などをチェックして保険に加入するといいでしょう。

【たびレジに登録】3ヵ月未満の海外滞在であれば、外務省のアプリ「たびレジ」に登録しましょう。たびレジは旅行先の最新情報や治安、テロ、地震情報や、緊急事態発生時の連絡先を教えてくれます。さらに緊急時には現地の大使館、総領事館からメールでの注意喚起や安否確認の連絡ももらえます。日本語での安全情報は心強いはずです。
もし3ヵ月以上の海外滞在なら外務省に在留届を出しておくことを忘れずに!

たびレジURL
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

【航空会社の現地オフィスを調べる】搭乗する航空機の現地オフィスの場所や連絡先を調べておきましょう。空港の状態や航空機が予定通り飛べるのかなどを確認するのは航空会社の現地オフィスに行くか問い合わせるのが確実です。

【在外公館の場所を調べておく】現地にある在外公館(大使館や総領事館)は、海外にいる日本人の命や財産を保護する任務を担っています。現地滞在の日本人の安否確認や被災者への緊急支援、出国支援、さらに災害時の避難所にもなっています。大きな災害があったときに在外公館を頼れるように、場所や連絡先を確認しておきましょう。

【防災グッズ】自然災害、犯罪被害、事故などに遭ったときに助けになる防災グッズ。旅行先の状態を確認して、いちばん当てはまりそうな防災グッズを持って行くことも大切です。

現地で災害に遭ってしまったら

万が一、現地で災害に遭ってしまったら、最低限守るべきことがあります。これらを実行して、冷静に判断して行動することが重要です。

※在外公館に自分の安否を知らせる
※SNSで家族や友人に自分の安否を知らせる
※在外公館から発信される、信頼できる情報を取得する
※航空機の運航状況を確認する

これらのことが基本であり、ホテルなどにいるときにはホテル側の指示に従うことも大切です。また災害時を狙う犯罪もあり得ることなので、むやみに知らない人について行ったり荷物を預けるようなことはしないように気をつけましょう。

楽しいはずの海外旅行を一変させる災害遭遇ですが、そうなってしまったらまず身の安全の確保を第一に、そして日本に帰るための情報の確保をしましょう。