準備万端で楽しみにしている海外旅行が何らかの都合で行けなくなったり、時期をずらす必要がある場合など、予定のスケジュールをキャンセルしなければならないこともあるかもしれません。そんなときにどうすればいいのか…? 今回は海外旅行のキャンセルについてのお話しです。

キャンセルについて知っておこう

海外旅行のキャンセルでいちばん気になるのは、やはりキャンセル料金ですよね。最悪の場合、旅行に行っていないのに旅費をそのまま取られる場合もあり得ます。なるべく最小限のキャンセル料で済ませるためにも、賢いキャンセル方法を覚えておくことが重要です。

※キャンセル料はなぜかかるか?
旅行会社や航空会社、ホテルなどでは、旅行者から予約が入ったらそれに向けてさまざま準備をします。そこにキャンセルが入ってしまうと様々な変更が必要になり、そのための準備費用や空席、空室などに対する損失を補うためにキャンセル料がかかってくるのです。このことは大前提として理解しておきましょう。

キャンセル料の基本

キャンセル料金がどれくらいかかるのかは、海外旅行の種類や時期によって異なってきます。たとえばツアーの場合には基本的には旅行会社のパック料金となり、時期によって決められたキャンセル料金がかかります。また個人旅行の場合には航空券やホテル代など、予約した項目別でキャンセル料が必要となり、その額もそれぞれで異なってきます。
どちらにしても忘れてはいけないのが、万が一に備えて“キャンセルについての内容規定”を事前にしっかりと確認しておくことです。

【海外旅行ツアーのキャンセル】旅行会社ツアーのキャンセル料は、観光庁の標準旅行業約款によって定められていて、ほとんどの旅行会社で同じと考えていいでしょう。
※海外旅行ツアーのキャンセル料率
旅行開始日の40日前~31日前→10%(ピーク時のみ)
旅行開始日の30日前~3日前 →20%
旅行開始日の2日前~前日  →50%
旅行開始日の出発時刻前   →50%
旅行開始日の出発後     →100%
旅行開始日の無断キャンセル →100%

【航空券のキャンセル】航空券のキャンセルは、各航空会社のキャンセル規定によって決められています。航空券にはPEX航空券(正規割引航空券)と格安航空券の2種類があり、格安航空券だと変更料やキャンセル料が割高になることが多々あります。さらにLCCなどの格安航空会社ではキャンセル自体することができません。以上のことから、旅行出発の直前まで予定が定まらないようならPEX航空券を選んでおいた方が無難といえます。
まずは利用する航空会社のキャンセル規定をチェックしておきましょう。

【ホテルなどのキャンセル】ホテルの場合、同じホテルでも予約に使用したサイトによってキャンセル料が変わってくる場合があります。このため予約を確定する前に、そのサイトのキャンセル規定をしっかりと確認しておきましょう。特に海外のホテルでは決められたキャンセル規定がないので、キャンセル時の出費額が大きく変わってくる可能性もあるのです。

現地で予約しているもののキャンセル

旅行キャンセルをする際には、航空機とホテルだけではありません。現地の交通機関やオプショナルツアーなどの予約もキャンセルする必要があります。

【交通期間】電車やバス、空港送迎など、現地の交通機関を予約しているならこれもキャンセルが必要です。交通機関では基本的に当日キャンセルでも無料で済むことが多いですが、会社によって異なるので公式サイトなどで要チェックです。

【オプショナルツアー、テーマパークなど】オプショナルツアーの予約は、基本的に代理店でしていると思います。そしてそれぞれのオプションによってキャンセル料が違うので、まずは代理店にキャンセルについての連絡をして詳細を教えてもらいましょう。また、テーマパークなどではオンラインチケットが主流なので、購入済の場合には返金不可の可能性が高いです。もし返金や予定変更が可能なチケットであれば、カスタマーセンターに直接問い合わせることが必要です。

キャンセルによる返金について

予約のキャンセルが成立すれば返金されるのですが、その時期や方法についても知っておきましょう。

【返金までの流れ】予約キャンセル料が確定したら各会社が返金手続きをはじめてその後に返金されるのですが、支払方法によって変わってきます。
「クレジットカード/カード会社を通じて返金」
「銀行振り込み/指定の銀行口座に振り込み」
「コンビニ支払い/各会社によって異なるので要確認」
返金時期についてはチケットの種類や各会社によって異なるので、各会社にしっかりと確認しておくと安心できます。

キャンセルに備える対策

海外旅行当日までに何が起こるか解らないというのも事実なので、万が一に備えたキャンセル対策をしておくのも方法です。

【キャンセル規定を確認する】何度も話していますが、予約する前に利用会社のキャンセル規定を確認することは重要。キャンセル料がかかってくる時期やその金額をチェックして、最低限のリスクを覚えておきます。これによってキャンセルが必要になりそうな場合の判断に役立ちます。

【海外旅行キャンセル保険に加入】海外旅行保険の中にはキャンセルに関する保険があります。これによってキャンセル料への対策が取れるので、安心度がグッと上がります。旅行会社のツアーで行くのであれば、基本的にツアー申込みの際にキャンセル保険に入ることができます。ツアー申込みと同時なら手続きも割愛できる部分があるので便利です。
個人旅行などでは保険会社で申し込む際に連絡をして手続きを行ないます。保険会社の場合は旅行会社よりも値段が安く済むこともあるのが利点。どこまで保障して欲しいのかという内容を考えて申し込めるのもポイントです。申し込みに手間はかかりますがサイトでの契約も可能なので、個人旅行で予定が確定できないようなら加入しておくことをおすすめします。

【クレジットカードのキャンセルプロテクション】クレカの種類限定になりますが、キャンセルプロテクションというキャンセル保険付のカードがあります。この場合には持って行くだけで保険適応になるので、まったく手間がかかりません。ただし、これが付いているクレカは年会費がかかる一部のカードだけ。年に何度も海外に行く旅行好きな人や、仕事で海外を飛び回っているよう人なら持っていても損にはならないでしょう。

キャンセル料がまったくかからないキャンセルも

上記までに紹介したキャンセルは旅行者の自己都合による場合のことです。それ以外のキャンセルではキャンセル料は一切かからずに済みます。

【不可抗力な理由によるキャンセル】台風などの悪天候や災害、テロ事件などによるキャンセルは、不可抗力でのキャンセルなので旅行者に一切の負担はかかりません。海外に行けないのは残念ですが…。

【会社都合によるキャンセル】航空会社やホテル側に理由があるキャンセルも、不可抗力時同様に旅行者に負担はかかりません。航空機の場合には別便への振り替えやホテル延泊などの料金などもすべて航空会社が負担してくれます。ホテルなども同様で、別室への変更ができるなら同料金でもっと豪華な部屋になるパータンや、まったくのキャンセルなら振り替えホテルへの手続きなどもしてくれるでしょう。これらの内容に関しては、航空会社やホテルなどの公式サイトで確認してみるといいでしょう。