世界最大規模の旅行ECサイトである“Booking.com”が、33ヵ国の地域の旅行者を対象として大規模な調査を行ないました。その結果、多くの旅行者たちは「自分を取り巻く世界との関わり方や体験の仕方を再構築、考えたい」と思っていることが明らかになったということです。この結果を踏まえて、2025年に於ける9つの旅行トレンドを発表しました。
今回は、この2025年の旅行トレンドについてのお話しです。

最先端の流行を追う、2025トレンド旅行

ファッションや趣味、飲食などにトレンドがあるのと同様に、旅行の行き方や目的にもトレンドがあります。「トレンド? 今の流行などには興味がないかも…」と思う人もいると思いますが、たまには最新のトレンドにちょっと目を向けてみるのも面白いと思います。実際に旅行に行くかどうかは別として、世界の最新旅行トレンドとはどういうものなのかを覗いてみて下さい。考えさせられるような内容のトレンドもあるので、知っておいて損はありませんし、今年の海外旅行計画のヒントになるかもしれませんよ!

今までの旅行の概念を覆す9種類のトレンド

海外旅行の基本といえば、様々な場所での観光でした。ですが現在の多くの旅行者たちは、基本的な概念に縛られない、これまでとは異なる形での旅行を探求していることが解りました。発表されたどのトレンドにも共通しているのは、“自分自身を変えるための旅行”“旅行先の地域と繋がりたい”という旅行者たちの気持ちです。そしてその旅行の目的は観光から“個性的な体験”へと変化してきています。

宇宙を体感するナイトツーリズム

宇宙旅行の実現が現実味を帯びてきて、宇宙への関心が拡がってきている現在、夜間アクティビティへの関心がとても高まってきています。その割合は世界の旅行者と日本の旅行者共に約7割前後。アクティビティの内容としては、専門ガイドと共に星座や天体を学ぶツアープログラムや天体観測、流星群やオーロラなどの観測などが挙げられます。これらの旅行者たちは、街明かりの少ない場所にある宿泊施設に泊まって、夜空の星をより鮮明に観測できる環境を求めています。

長寿を得る没入型リトリート旅行

ウェルネスへの関心も高まる2025年は、旅行に対して開放感などの一時的なリラックスを超えた、長寿に繋がる健康増進を目的とした癒しを求めています。単なるマッサージやスパだけではない、心身共の健康を満たす没入型の長寿リトリート旅行への関心が強くなる傾向にあります。年齢がいっている人だけではなく、より長く健康的な人生を得るための旅行もトレンドになっています。

多世代で紡ぐ心に刻む旅行

約半数近くの世界の旅行者たちは、「子どもに財産を残すことより、一生に1度の旅行にお金をかけたい」と考えています。この傾向は現在親であるベビーブーム世代やサイレント世代の半数近くの旅行者たちにあります。思い出作りを重視する「SKI(Spend Kids Inheritance)バケーション」、要は“子どもに残す財産を使う旅行”として、若い子ども世代にも大きな影響を与えています。世代を超えた家族旅行で時間を共に過ごすことへの新しい価値観が、絆を深める機会となっているといえるでしょう。

男性“同士”ウェルネスと自己啓発の旅行

男性同士の旅行は2025年、お酒を飲んで大騒ぎする往来のスタイルから心身の健康と自己の成長を重視するものに変化するといわれています。世界の旅行者の約半数が、男性同士の旅行を身近な男性に勧めたいと考えていて、これは若い世代により顕著であり、Z世代とミレニアム世代などで約半数を超えていることが明らかになりました。そして旅行に求めるものは「休息と活力の回復」「日常でのストレスからの開放」「新しい交友関係の構築」、さらに「精神的な成長」も重視しています。

シニアの枠を超えたスリル満点な冒険の旅行

1947年から1949年生まれのベビーブーム世代では、静かな老後を過ごすイメージを覆してより冒険的な旅行を求めています。“年齢にとらわれない冒険的な旅行”への興味は、2024年の10%から大きく増加、アクティブに行動したいシニアが増え続けています。彼らが旅行に求めているのはアドレナリン全開の旅行として「最高峰の山脈でトレッキング」「世界最大の川でのカヌー体験」「スカイダイビング」「南極でキャンプ」「ボルケーノボーディング(火山でのボード滑走)」などのハードな体験で、冒険に年齢制限がない! という新しい価値観を示しています。これからはシニア向けの旅行アクティビティも増えてくるはずです。

見えない細部のニーズをテクノロジーで形にする旅行

ニューロダイバーシティ(神経多様性)の旅行者たちのニーズに応える旅行も、2025年の旅行トレンドです。それぞれの考え方や情報処理能力などの、脳や神経に由来する個人レベルの違いに基づくニーズは簡単に可視化することは困難だといえます。ですがこれからは、発達障害や神経学的マイノリティの人たちのニーズに応える形の旅行内容が注目されてくるでしょう。ただしこれらは大変難しいことであり、ニューロダイバーシティの人たちの求める空間などと、それに配慮する傾向が旅行の選択肢を限定することになっている、と感じる人たちとの相互バランスを取ることが重要になっています。旅行業界全体の取り組みが期待される2025年以降といえます。

ヴィンテージを楽しむ旅行

休暇中のショッピングスタイルとして、中古品の購入やヴィンテージショップに行くことが多くなっています。特に海外旅行では、海外のヴィンテージショップで“質のいい商品が見つかる”“良い掘り出し物が見つかる”などの経験をしている人も少なくありません。これは単なるトレンドというよりも経済的な判断にも関係があり、多くの旅行者が旅行中の節約を意識しながら海外を最大限に楽しもうとしているということでしょう。

個の欲求を満たすAI活用の旅行

近年、世界の旅行者の約70%がAIを使って混雑していない観光スポットなどを探しているといいます。それ以外にもSNSで見つけた観光スポットに行ったり自分の好みのスポットを探したりと、SNSなどでタグ付けできる場所を重視する傾向が若い人たちの世代に顕著です。今やスマホなどのアプリの活用で快適な旅行が楽しめますが、今後もさらにAI活用で満足度の高い旅行が実現できるでしょう。

空港を旅程の一部として楽しむ旅行

2025年の空港は、ただの通過点から旅行中の目的地のひとつに変わっていきそうです。旅行者の60%以上が、フライト前の空港で利用できる施設が充実していればストレスも軽減できてより楽しく旅行ができる、と考えています。さらにユニークな体験施設のある空港に高い興味を示していることも明らかとなりました。以前に本コラムでも紹介しましたが、空港はもはや観光目的になる場所として認知されています。初めて行く国の空港はもちろん、何度でも行きたくなる空港も多々あります。これからの空港の変化に大いに期待したいところです。

【Booking.comを活用して海外旅行を楽しく!】今回の記事の参考にさせて頂いたBooking.comは主に宿初施設を予約できるサイトです。世界最大の宿初施設の掲載数で、繁忙期やマイナーな地域でも予約が可能。予約手数料は一切なしでキャンセル無料の部屋もあります。40種以上の言語でサポートが受けられて日本版のサイトもあり、実際に泊まった人の口コミもリアルに参考になるでしょう。一度サイトを覗いてみて、良さそうなら使ってみるのもいいかもしれませんね!

booking.com(ブッキングドットコム)
https://www.booking.com