チェコ・プラハで体験した、親切心に漬け込んだ両替詐欺
旅行情報
あなたの旅行先の国名・都市名
チェコ、プラハ
あなたが旅行に行った年月
2015年9月
あなたが旅行に行った回数
20回
あなたの年齢、性別、職業
26才、女性、会社員(旅行代理店)
一緒に旅行に行った人の人数
単独
トラブル体験をした場所
チェコ、プラハの旧市街
トラブル内容
これからするお話は、私が実際にあった外貨両替詐欺の体験談です。
2015年にチェコのプラハに一人で旅行をしていた際、あまり観光客のいない道を散策していたところ、現地の男性の方に声をかけられました。
「お姉さん、どこから来たの?」
「日本からだよ!」
旅行中によく繰り広げられる何の変哲も無い世間話です。
どうやらこの男性は、この次の週に東京に旅行に行く予定だったそうで、私と話せたことを非常に喜んでいる様子でした。
しばらく会話をするうちに、彼が突然お願いをしてきました。
「ちょうど銀行に行こうと思ってたんだ。
もし良かったら、コルナ(チェコの通貨)と日本円を両替してくれないかな?」
正直なところ、次の日私はチェコから次の国へ移動する予定だったため、
コルナはもう多くは必要ありません。
理由を丁寧に必要し何度もお断りしたのですが、この男性、かなりしつこく、
何度も何度も頼んでくるではありませんか。
そう必死にお願いされると、人間折れてしまうものです。
加えて、1コルナで5円と、そこまで悪くないレートを提示され、
それなら両替してあげても良いかな、と思い始めました。
(当時、1コルナ=5.1円ほどだったため、わずかですが私が得するようなレート換算です)
初めは、2〜3万円分を両替してほしいと頼まれたのですが、
私も日本円の手持ちが5000円しかなかったため、
彼の1,000コルナ紙幣と、私の5,000円札を交換することになりました。
無事交換も終わり、
「東京楽しんできてね!」 と、最後の挨拶を交わし彼と別れました。
私は、良いことをした!とすっかりいい気分になり、
余分に手に入ってしまった1000コルナを使って最後のプラハを満喫しようと
雰囲気の良さそうなレストランに立ち寄りました。
人助けをした後に食べるハンバーガーはとても美味しく感じられとても上機嫌でしたが、
お会計をしようと財布を開き、1000コルナ紙幣を手に取った時、
その気分は一気に地に落ちたのです。
「あれ…この紙幣なんか変…?」
そうなのです。よく見てみると、明らかにチェコ語とは異なるキリル文字が印刷されており、コルナではなかったのです。
1000コルナをあてにして良いハンバーガーを注文していたため、他に持ち合わせもなく、クレジットカードを使えるお店だったことが本当に救いでした。
その後、調べてみたところ、私が両替させられた謎の紙幣は、
当時インフレが続いていたベラルーシのルーブル紙幣だったのです。
2016年に1万分の1の価値にデノミが行われ落ち着いたものの、
2015年当時は1ルーブル=約0.005円。
つまり私は、5000円を1000ルーブル、たったの5円にしてしまったのです。
大損です。
冷静に考えると、コルナとベラルーシルーブルは見た目も全く違い、
1000コルナ紙幣を以前にも見たことがあればすぐに違和感に気づけたはずでした。
しかし、そこは相手も巧妙で、話しかけながら私の財布の中に直接紙幣を入れてきたため、
細部までには意識が行かないように工夫されていました。
以上が私が外貨両替詐欺にあった一連の流れです。
これはプラハでよく使われる手口のようで、全く同じベラルーシの紙幣で騙された方が後を絶ちません。
デノミが行われ、新紙幣になった現在でも、旧紙幣を使って騙し続けているようです。
私は今回5000円の被害で済みましたが、相手の初めの要求は2〜3万円の両替でした。
もっと多くの損害が出ていたかもしれません。
私と同じ目に遭わないために、皆様は下記注意事項を徹底してください。
怪しい人物に話しかけられても、警戒を怠らないこと。
正規の両替所以外での両替は絶対に行わないこと。
受け取った通貨は全てその場で確認すること。
せっかくのご旅行を悲しい気持ちで終わらせないためにも、私の体験談がトラブルを未然に防ぐことに役立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動
正規の両替所以外での両替行為は控えること