旅行情報

あなたの旅行先の国名・都市名

ザンビア・リビングストン

あなたが旅行に行った年月

2011年5月

あなたが旅行に行った回数

100回以上

あなたの年齢、性別、職業

36歳、男、会社員(法務知財)

一緒に旅行に行った人の人数

単独

トラブル体験をした場所

ザンビア国境(リビングストン)の闇両替商

トラブル内容

これは、私がアフリカのジンバブエから陸路で国境を越えて、ザンビアに旅をしていた時の両替トラブルです。

ジンバブエは、かの悪名高い故ムガベ大統領による失政でハイパーインフレが起こり、通貨制度が破綻していたため、当時は米ドルが使われていました。一方のザンビアでは、「クワチャ」という独自通貨が流通しているため、私はザンビア側の国境の町リビングストンで、米ドルをクワチャに両替できる両替所を探していました。

そこに、狙いすましたように闇両替商のおじさんが現れました。アフリカやアジアの発展途上国では、国境付近に公認の銀行や両替所など外貨両替のインフラが十分に整っておらず、このような個人の闇両替商がたむろしていることは珍しくありません。彼らは店を構えていることもあれば、今回のようにポケットに外貨を詰め込んで歩き、店すら持たずに商売をしている人々もいます。この手の闇両替商は、「ぼったくりレートだ」「偽札をつかまされる」「両替中にグルの偽警察が現れて、闇両替は違法だと難癖をつけて賄賂を要求される」といった話は良く聞くので、私も無論手放しでは信用していません。ですが、上手に使うと公認レートより大幅に有利なレートで両替できることがあるのも事実ですし、そもそも公認の両替所がなければやむを得ません。というより、多少は旅慣れていると自負のあった私は、そのように考えていました。

「話だけでも聞いてやるか」とレートを聞いたところ、少なくとも数字は良心的。周りを見渡しても、特に怪しい偽警察役のような人もいません。そこで物は試しと「20ドルを両替できるか?」と聞いてみました。すると「100ドル札は持ってないのか?レートをサービスするよ」と返されました。その更に良いレートにやや心が動きつつも、同時に胡散臭さを感じとり、万が一偽札を掴まされるリスク等も考え、20ドルだけお願いすることにしました。

そして、私の20ドル札を手渡した瞬間のことです。「まずい!警察がきた!」と慌てて20ドル札を押し返してくるおじさん。驚きはしましたが、それと同時に「やはり来たな」と身構える私。その一方で、ずっと周りの警戒は怠っていませんでしたし、そのような怪しい人がいる気配も全ありません。その後、おじさんが走り去っていった後も、待てど暮らせど「警察役」は現れません。

私はしばらくその場でキョトンとしていましたが、ふと手元の20ドル札を見て、思わず「なるほど!」と叫んでしまいました。何と、20ドル札だと信じていたのが、いつの間にか1ドル札にすり替わっていたのです。まるで手品を見せられたように鮮やかな手口だったため、悔しい気持ちはもちろんありましたが、それ以上に感心したというのが正直なところです。

偽札へのすり替えはありえると思っていましたが、さすがにこの手口は想定しておらず、自分の目の節穴さ加減にも我ながら呆れました。ですが、最大の反省点は、「旅慣れている」と慢心して闇両替商に関わったことでしょう。やはり、このような旅行者を食い物にする連中は、百戦錬磨だけあって、常に旅行者の一枚上手をいくものです。生半可に旅慣れた頃に、「この手口は知っているから大丈夫だ」と油断することが、相手に付け入る隙を与えてしまうのです。常に自分の知らない手口を使われると想定して、怪しいと思ったら関わらないと、初心に返ることが重要だと感じた出来事でした。

余談ですが、この国境近辺には、ビクトリアフォールズというナイアガラ、イグアスと共に世界三大瀑布に数えられる壮大な滝があります。世界的に有名なエリアで、本来はとても良いところですので、ぜひ皆様も機会があったら訪れてみてください。

トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動

非公認の両替商での両替は極力避ける。例えば、ローカルの国境を越える時は、事前に都市部の銀行などで越境先の通貨を両替しておく。そして、旅慣れていると思って慢心しない。